息詰まるような現代社会の中でほっと一息つきたいと思ったことは誰にでもあるでしょう。眠らない社会の渦中にいる我々にとっても休息は必要不可欠です。一度立ち止まってこれまでの自分を回顧する時間も欠かせません。今回ご紹介するのは、地方の本山といわれるような大きな寺院に出掛けずとも、都内でできる修行体験です。代表的な座禅からユニークなものとしてはお寺テラスや滝打ちまで幅広い内容を概観していきます。
【座禅】目黒にある経王山文殊圓融寺
まずは定番の座禅体験について、座禅は元来禅宗における修行のひとつですが、最近では一般向けの体験座禅を行う寺院が増えています。例を挙げるのであれば目黒区に位置する経王山文殊圓融寺で月に一度開催されている「ちょっと坐ろう会」があります。
座禅が行われる釈迦堂は室町時代に建立された国の重要文化財となっています。歴史ある堂内で一時間、今暫し都会の喧騒から離れて心を落ち着かせてみてはどうでしょうか。
【写経】港区高輪台駅そばの高野山東京別院
次に最近注目されている写経について、本来修行として行われていた写経ですがその心を落ち着かせる効果に惹かれて、今では書店で写経本を見かけるほどです。また、実はやってみたら堅苦しくない修行だということも魅力の一つです。さて、そんな写経をプロのお坊さんのもとで本格的に体験できる場所として、港区高輪台駅から程近い高野山東京別院が挙げられます。
ここでは手ぶらで赴いて写経体験をすることができます。高野山とは真言宗開祖で筆の達人とも呼ばれた弘法大師が開いた道場です。みなさんも「弘法も筆の誤り」という諺を聞いたことがあるのではないしょうか。彼のお膝元ならきっと良い字が書けるでしょう。
【オープンテラス】神谷町駅そばの梅上山光明寺
さてここからは一風変わったお寺のサービスや修行をご紹介します。一つ目はお寺のオープンテラスです。東京メトロ日比谷線神谷町駅から徒歩一分の距離にある梅上山光明寺では寺院の一角をオープンカフェのようにテラス化しています。
しかも、朝九時から夕方五時まで開放されているこのスペースは無料で利用可能です。都心のオフィスビルが立ち並ぶ中に、ぽつんと緑生い茂るこのテラスはまさにオアシスでしょう。お寺と普段関わりない人でも気軽に訪れることのできる新しい試みです。
【滝行】高尾山にある高尾山薬王院
二つ目はこれぞ真の修行ともいえる滝行修行です。滝行といえば、山奥に籠ってする修行と考えられがちですが、これもギリギリ都内で体験することができます。おなじみ高尾山にある高尾山薬王院が滝打ちである水行修行の体験会を開催しています。
新宿から電車で一本の距離で本格的な滝行ができるという地理的なメリットもあります。ただしまだ水が冷たいために、今年の滝行解禁は四月一日以降となっています。