葬儀を行う事はどこの土地でも変わりませんが、葬儀ではその土地の風習などにより、お供えするものや行う事にかなり違いがありますね。私は過去何件もの葬儀に参列してきましたが、家族葬だけが少し変わっていたものの、他は差ほど内容に変わりはありませんでした。
それは、他府県での葬儀には参列をした事がなかったからなのかもしれません。
この事に気付いたのは、あるドラマを見たからです。
そのドラマでは自宅葬を行っていて、棺を霊柩車に乗せ出棺するシーンがあったのですが、霊柩車が発車する際、合図のようにお茶碗を割っていたのです。
このドラマはシリーズなので、毎回のように見ていますが、何度みても霊柩車の発車の際には決まってお茶碗を割っていました。最初は何気なく見ていたのですが、回を重ねるごとに気になり始め他府県での葬儀がどのように行われているのか自分なりに少し調べる事にしました。
すると、びっくりするぐらいの違いがありました。
異なる葬儀の慣習をご紹介
私は関東に生まれ育っているので、【通夜振舞い】という通夜の後に食事を振舞う事は当たり前なのですが、どうやら西日本ではあまり見られない風習のようですし、私が気になっていた【出棺の際にお茶碗を割る】という事に関しては、南の方で行われているようでした。
その他にも、沖縄県では一般的な棺よりも長さが短く、深めのサイズのものを使い、故人の膝を少し立てて納棺するようですし、福井県の一部の地域では、出棺の際棺に向かってお米を撒いたり、往生して亡くなった場合にはお赤飯が出される事もあるそうです。
また、群馬県の一部では出棺の際遺族が参列者に向けて半紙にくるんだ小銭を撒き、新潟県の一部では火葬後の法要からは赤いロウソクを灯すようです。
そして東北地方では、【前火葬】という葬儀の前に火葬を行い、焼香の際に焼香盆に数十円程度の小銭を添える風習などもあるそうです。更に北の北海道では、葬儀の受付で香典を出すと、目の前で開封され中身を確認し『○○円でよろしいですか?』と確認された上で名前が記入された領収証が発行されるそうです。そして東北地方と同様に【前火葬】となっているという事です。
こうして調べてみると、1つの県の中でも地域によって様々な風習により行われる事が違っていたり、県が違っても部分的に同じ風習なのか、同じ事を行うところもありました。
心を込めた葬儀であることに変わりありません
現在、首都圏では住宅事情により自宅葬よりも、斎場などの施設を利用して通夜や告別式を行う事が多くなっていますが、他府県では自宅葬が多く、それによりこれまでの風習が今もなお続けられているのだという事がわかりました。
そしてこの風習で行われている事は1つ1つ意味を持ち、どれも故人の事をとても思っているという事もわかりました。どこの地域でも故人を思う心には変わりはなく、送る方々は皆冥福を祈っているという事なのです。
何気なく見ていたドラマでしたが、このドラマのお陰で私は今回とても奥深い勉強が出来たと感じました。またこのドラマを見る事があれば、今回調べた事をふまえ今までと違った気持ちで見る事が出来ると思います。