私見ですが、家族の葬儀式の中で一番つらいのは火葬した後、その扉を開ける時ではないでしょうか。私は母の葬儀の時つらくてたまらず、もし私が泣き崩れたり動けなくなったりしたら助けてくれるよう叔母に頼みました。
棺にいれていいものにはルールが有る
そして扉が開いた時、職員の方の第一声は「ジグソーパズル入れました?」でした。あわてて「ハイ!」と答えてふと見ると、ジグソーパズルが真っ白に、でもきれいな形で残っているではありませんか。
「いや、これはきれいに燃えたからいいですけど、こういう紙類は得てして燃え残るんです。昔、偉いお医者さんのご葬儀の時、ご家族が分厚い医学書を入れられましてね。それは結局燃え残っちゃったんです」とのこと。
そんな話を聞いているうちに何だか拍子抜けし、泣くでも倒れるでもなく葬儀を淡々と済ますことができました。
納棺の時、副葬品をあれこれ入れたいと思うのは家族の心情です。でも火葬が主流の今、色々なタブーや注意点があり、入れてはいけない物もあるのです。
具体的には?
【遺体の損傷につながるもの】
腕時計・指輪・メガネ・カメラ・ガラス製品・ライター・電池等があたります。→メガネや指輪などは、骨壺に入れたらよいそうです。
【公害や汚染につながるもの】
ハンドバック・おもちゃなどのプラスチック製品。衣類・寝具などの化学合成繊維製品。
【燃焼の妨げになるもの】
果物など水分の多い物・分厚い書籍・大きなぬいぐるみ等。
【設備の故障につながるもの】
釣竿・杖・ゴルフクラブなどのカーボン製品。→これらは写真に撮って入れるといいそうです。
【写真】
生きている方の写真。縁起が悪い、ともめ事の種になることがあるそうです。また後日その方に悪いことが起きた時『あの時…』と言われる場合もあるとか。生きている方の写真はなるべく避けた方が良いようです。
花や副葬品次第では遺骨に色がつく
これらは葬儀社の方が心得ているので指示に従うのが無難だと思います。そしてもう一つ。祭壇のお花にも気を配ったほうが良いかもしれません。
私の姑はショッキングピンクの大好きな人でした。実の娘の義妹と相談して、ピンクの華やかな祭壇で姑を見送ることにしました。葬儀の後、お棺に祭壇の花を入れますね。姑はピンクの花に囲まれていました。そして骨上げの時、花の色が移ったのか、お骨がほんのりピンク色なのです!ちょっと焦りました。
これは副葬品の染料でも同様に起こるそうなので、きれいな白いお骨でお送りしたい方は祭壇のお花の色や副葬品も少し考慮に入れた方がいいかもしれません。