抵当権という言葉を聞いた方、結構多いのではないだろうか。不動産を購入する際に、必ず聞く言葉だ。そもそも抵当権とは、住宅ローンで不動産を購入した場合、住宅ローンの貸主である銀行が当該不動産について設定する担保権のことだ。
相続に関して、相続財産の殆どは不動産なのだが、抵当権が設定されたまま相続されることが多い。本来ならば、相続と同時に抵当権の変更をすべきなのだが、失念や手続きに費用がかかる等の理由により何もしないで相続されることもある。それが後々トラブルを招くのだ。
遺産分割協議時、住宅ローンの残高を誰が幾ら相続するのかを決めておくべき
最初のトラブルは、遺産分割協議の際に発生する。
抵当権が設定されている不動産を相続する場合、当該不動産に係るローンの残高も相続しなければならない。相続税の計算に関しては、ローンの残高は相続財産の総額から差し引かれる。だが、ローンの返済義務事態は何の影響もない。つまり、ローンの返済義務はなくならないのだ。
結局は、相続人の内、誰が返済義務を負うか、ローンの残高を幾ら相続するのか。この二点で揉めるのだ。一番確実で安全な解決策は、相続そのものを放棄すれば、財産は相続できないが、ローンの返済義務は負うことがなくなる。