皆さんは、ペット葬儀という言葉を聞いてどう思うだろうか。ペットを飼っている人は、それほど疎遠な言葉ではないと思う一方で、ペットを飼ったことのない人は全く聞いたことがないという人もいるだろう。
合同火葬や立会式の火葬など種類豊富なペット葬儀
今まで愛情をこめて世話をしてきたペットを人間と同じように弔ってあげたいという人は多い。
しかし、個人ではペットを埋葬する土地を用意することも、火葬することもハードルが高い。そこで、ペット葬儀をしてくれる会社がある。
主なものは、ペットの遺体を回収し、合同で火葬してくれたり、移動式火葬車が家の前まできて火葬して遺骨を拾うまで立ち合いができるものや、ペットのためにお通夜を開くサービスもあるらしい。
お通夜の方は少しお高いようだが、火葬だけなら1万から5万程度と手が出る範囲で利用できる。とても素晴らしいサービスだと思う。
火葬すると約束しておきながらペットを投棄して別の骨を渡していた不法投棄事件
しかし、私が気になったのはこのサービスを利用する顧客と業者の間にトラブルが絶えないことだ。
具体的な例を挙げると、2010年、埼玉県飯能市で起きた山林に100匹程の犬などの死体が遺棄されていた事件などがある。
この事件の容疑者は、「死体を火葬して、骨にして返す」と飼い主に約束しながら、預かった死体を繰り返し不法投棄して、偽って別の骨を渡していたという。
容疑者は、「別の業者に委託して火葬すると、手元に1000円程度しか残らない。火葬経費を浮かせるために投棄した。悪いと思いながらやってしまった」と述べている。
法律上、動物は「モノ」扱いされている現状
事件はこれだけにはとどまらない。上の埼玉県のような事件は、程度はそれぞれだが全国各地で起こっている。
これに対して、法整備を整えようとする動きもあるようだ。しかし、この法律の中には「死後の動物」に関する記述はないので、悪徳業者を完全に取り締まることは難しいだろう。
また、火葬炉に関しても、人間の火葬炉を建設するのは各都道府県知事の許可が必要な一方で、ペットの火葬炉となると特に許可は必要ない。つまり誰でも作れるということは、火葬炉が存在するかどうかを確認することができないのである。
ペット葬儀のトラブルは「高額費用」と「信用問題」
では、どうしたらこのようなトラブルを防ぐことができるだろうか。私がおすすめするのは以下の二つのことを徹底することだ。
一つは、業者の情報を見比べて大体の相場などの見当をつけること。もう一つは料金を最初に書面で提出させるのがいい。
ペット葬儀のトラブルは最初に口約束で料金を決め、後からオプションで料金を増やすという手口が多い。これを防ぐために、最初に書面で料金を提出させて、納得できなければサインしないという方法をとるのが確実だ。
また、動物葬祭ディレクターや専門家が推薦する業者を選ぶということも一つの手段だろう。動物葬祭ディレクターは動物葬祭の知識に加え、実績も豊富である。また、24時間相談無料という会社もある。これらは、愛するペットとの別れを、後悔の残るものいしないためにもぜひ活用するべきだろう。