亡くなった友人が未だにマイミクだ、という知人がいる。
マイミクとは日本のSNSで先駆的なサイトであるmixiで友達として登録しているユーザーのことである。
ログインすると自分のページのトップにはランダムにマイミクのアカウント名とアイコン画像が表示される。
何のサービスを利用しているか、正確に把握している人は少ない
今やSNSというとmixiだけではなく、FacebookやTwitterやその他ブログサイトなど、複数のサービスを利用している者が多い。これらのサービスはいずれもパスワードを設定してログインして利用するもので、パソコンやスマートフォンなどにパスワード情報を保存出来たりログイン状態を保持したりすることも出来るが、ネットのセキュリティ意識が高まるにつれ、長い期間ログインしていないとそれも不可能となるケースも発生する。
あらゆるログイン画面には「パスワードをお忘れの方はこちら」という案内があるが、亡くなった人はおろか、生きている人であってもどんなサービスを使っているか、またそのサービスにどんなIDやパスワードを使っているか、全て正確に把握している人は多くないだろう。
有料のネットサービスとなると更に面倒
つまりパスワードがわからなければ故人の日記や呟きはそのサイトのサービスが終了しない限りは永遠にネット上に残ることとなるのだ。
そして無料SNSだけではなく、有料のサービスに登録していて利用していなくても月額制などで料金が発生している場合もある。遺族がそのことを知らなかった場合は、死後に凍結された銀行口座から引き落としが出来ずに料金請求が来た時に初めて判明し、利用していないサービス料金を支払わなければならなくなってしまう。
また、ネット銀行に口座がある場合はその預金も相続対象となるが、カードや通帳がないために遺族が気付きにくく、一般的なサービスよりもセキュリティが厳しいためログインする度にパスワードの入力を要請されることが多い。
ネット上だけでなく、USBメモリで保管することがお薦め
これらのパスワードの管理に最も有効なのは、テキストファイル等に各サイトのパスワードを記しておいてUSBメモリに残す方法である。
パソコンの中にパスワードをまとめたファイルを残しておくよりも遺族が発見しやすく安全であり、そのままコピー&ペーストをして入力出来るため書面に残すよりもミスが発生しづらいくなるのだ。
自分の死後はブログ等を削除してもらいたいと考えている人は、登録しているサイトとそれぞれのIDやパスワードの一覧を作ってUSBメモリに保存し、その旨を家族に伝えておくといいだろう。
過去登録してきたサービスを今一度整理することが重要
SNSには流行があり、より多くの利用者がいる方へ移行しているうちに自分が登録したまま放置しているサービスもあるだろう。自分の死後云々に関わらず、一度それらの情報を整理しておくことはSNS利用者には有効であると言える。
また、これまでは故人が生前に受け取っていた年賀状や使っていたアドレス帳などから葬儀の連絡をしたものだが、SNSの利用が当たり前となった昨今では家族が把握しきれない交友関係がかなりあるのではないかと思う。
ネット上で仲良くなった友人に自分の死を知らせて欲しいと願う場合は、やはり家族がパスワードを知る手段を用意しておいた方が手を煩わせずに済むのではないだろうか。