お坊さんとの接点と言えば、真っ先に思いつくのはお葬式だろう。近年になって、家族葬を代表に、一日葬など葬儀の形式も、費用とともに様々なプランが提供されるようになってきた。
そして、その中には直葬と呼ばれる、通夜や告別式を行わずに、シンプルに火葬だけをするプランもあるが、それだけ簡略化されたお葬式でも、お坊さんにお経を読んでいただいたり、戒名授与を希望するご家族は少なくない。
檀家制度の崩壊や跡取り問題などネガティブなニュースの多いお寺
そんなお寺であるが、昨今社会問題となっているのは檀家制度の崩壊と跡取り問題である。信仰心の希薄化に伴い、檀家が減っていること。地方の過疎化によって、お寺の跡継ぎとなる方が、このままではお寺の運営を続けている見込みが低いと考えていること。これらによって廃寺を検討しているというのだ。
しかしネガティブなニュースばかりではない。ご存じの方も多いだろうが、お坊さんを取り扱ったテレビドラマやバラエティが、最近急激に増えている。そして、その中でも今非常に注目を集めているのが「美坊主」だ。
様々な方法でお寺をアピールする活動が増えている
「美坊主」とは、その名のごとく、美しい容姿を持つ、イケメンお坊さんのことを言う。
今年開創1200年を迎えた高野山が、昨年それをPRするためにおこなったイベント「こうやさんフェスタin奈良~行くなら高野山~」では、「美・坊主」ショーという整った顔立ちの僧侶10人によるファッションショーが行われた。
また11月1日、2日に行われた、高野山大学の大学祭「曼荼羅(まんだら)祭」では、「美坊主コンテンスト」が開かれた。会場内に写真パネルを設置し、エントリーされた20人の中で、誰が最もふさわしい「美坊主」かを投票で決めたようだ。
「美坊主」からまずはお寺に興味を持つのも悪くないかも?
なぜこれほどまでに美坊主に惹かれるのか。それはイケメンであることも理由の一つだが、なんとそれだけではないのだ。
美坊主を好きな女性が、声を揃えて言うのが「所作が美しい。普段の何気ない行動に見惚れてしまう」と、その佇まいを大絶賛している。また、修行を重ねてきたからこそ得られる精神性も、理由の一つとして欠かすことはできない。「一般男性に説教されたら、素直に聞けないこともある。でもお坊さんから説教されたら、言葉一つ一つに重みを感じて、素直に聞いてしまいます」とのこと。
冒頭でも触れたように、お坊さんとの接点はお葬式が多いのが現状だ。しかし、それ以外の接点が今後増えていく可能性は高い。もしもお葬式以外でお坊さんに会うことがあったら、異性の対象として考えてみるのも一つの選択肢だろう。