今年の夏も、お盆に先祖の墓参りへ行かれた方は多いだろう。
雑草を除き、墓石を水洗いし、お花と線香をあげ手を合わせて、ふと「あぁ、ウチのお墓もずいぶんと古くなったものだなぁ」と感じはしなかっただろうか?
水垢や白カビ、苔が付着。お墓にヒビや傾き。
お墓は長い年月風雨にさらされるため、当然、水垢やカビ、コケなどが付着してくる。
また、地震や雨などによる土の流出、伸びた樹木の根などが原因で、傾きやズレが生じることもある。こういった古いお墓を放っておくと、倒壊の危険もある。
その場合は早めにリフォームが必要だ。
お墓のクリーニングとは?
まずやりたいのは、石碑のクリーニング。
墓石の表面を、機械を使って研磨する。文字彫り部分のペンキを塗り替えれば、かすれていた文字もよみがえる。
そして、耐震加工。
免振棒を台石と棹石の間に通す。墓石が傾いている場合、その原因によっては工事が大掛かりになることもある。墓石周辺の土の流出を防ぐためには、外柵を設置するのも有効だ。
さらに、カロートと呼ばれる、骨壺を収める収納室(納骨棺)も確認が必要だ。雨水や地下の湿気などで、水が溜まっていることがあるからだ。カロートの水はけを良くするために、水抜き穴の設置工事をする方法などがある。
その他、花立や香炉などの取り替えも、必要に応じて行う。雑草対策には砂利の入れ替えや防草シートなどの方法もある。石のずれによって生じた隙間や目地の劣化も修繕が必要だろう。
業者に頼むなら、まずは予算を決めて、相見積を出してみよう!
しかし、なんと言っても悩ましいのは、費用面だ。
地域により差があり、業者によってもずいぶん違う。墓石磨きだけでも、1万円から、とうたう業者もあれば、10万円以上する石材店もある。相場もあってないようなものだ。また、高ければ良いというものでもないので、ますます迷ってしまう。
そのようなときは、逆に、自分がリフォームにかけられる予算を先に決めてしまうと良いだろう。〇〇円の予算内でどの程度の工事が可能か、複数の石材店に見積もりを依頼しよう。誠意のある業者であれば、下見をしたうえで、必要な修繕を提案してくれるだろう。なお、墓地やお寺には、指定の石材店があることも多いので、後々のトラブルを避けるためにも、まずは先に相談をすることをおすすめする。
もう一つ気になるのは、先祖代々のお墓に、手を加えてしまっても良いのか?という点だ。しかし、綺麗に保ってご先祖様を敬うことこそ、墓を守る者の役割だと思えば、リフォームの必要性も理解いただけるだろう。
この機会にぜひ一度、お墓のお手入れについて、ご家族や親類と相談してみてはいかがだろうか。