イタリアでユニークな樹木葬が考案されたというニュースです。
カプスラ・ムンディという企業のアイデアで、木の根元に遺体を埋めるという考えを突き詰めて、≪故人の木≫を作ってしまおうというものです。
遺体をまゆ状のカプセルに入れて土中に安置し、その上に木の苗を植樹。それを増やしていき、最終的には森をつくるという発想です。
どんなカプセルに入れるの?!
カプセルの素材にはトウモロコシやジャガイモなどという土中にて分解可能なでんぷんプラスチックが採用され、その中で遺体は胎児のように丸く永眠。そのまゆ状カプセルをまず土に埋め、上にお好みの木の苗を植えるという埋葬方法です。
地球に還るエコロジー墓地、輪廻転生の発想の具現化みたいにも思えますが、イタリアではこの埋葬方法はまだ認可が取れていないらしく、今後は法改正を訴えていくとのことです。
樹木葬は最近注目を浴びている埋葬方法!
日本でも樹木葬というのはよく聞きますね。最近ポピュラーになってきた埋葬方法です。
これは、霊園内に1本のシンボルツリーを植えて、そのまわりに何柱かの骨を埋めるタイプか、小さな土地を購入して遺骨を埋葬してから植樹するタイプかの2通りで、要するにどちらも遺骨の埋葬です。
通常だと石だった墓が土になり、墓石が木になるということで、遺体はきちんと火葬され、骨も骨壺に収められているでしょう。
故人の生まれ変わりとなる木
そう考えると、イタリアの、故人の木を育て、森をつくるという埋葬方法が、かなり画期的であることがおわかりいただけるかもしれません。遺体を養分として育つ木がある……ということですので、まさに故人の生まれ変わりに近い木が育つという感覚でしょう。
樹齢が長いと言われているスギ、ヒノキ、クスノキ、ケヤキなどは、数十年から数百年生育しますので、葬儀の手配をした人のほうが先にこの世からいなくなるという現象も起きるでしょうね。この埋葬を怖いと考えるか、ロマンチックと思うか、人それぞれかもしれません。
日本でも土葬を許可する墓地があります!
近代以前は、ごく普通になされていたことかもしれません。桜の木の下で眠る……というような埋葬を21世紀に求める場合、しかもそれが土葬という条件付きである場合は、火葬率が99%に近い日本だとぐんとハードルが上ります。
まず土葬を受け付けてくれる墓地や自治体を探す必要があります。現在でも一部地域では土葬用の墓地が運営されているそうですね。ご興味がある方は調べてみてはいかがでしょうか。