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苦しい時の神頼みはズルいことか 讃岐の源太夫から考える回心

現代の科学時代においても宗教は必要だろうか。人間は罪深く弱い存在である。そんな人間が背負ってしまった罪や、死の苦しみを引き取ってくれる神仏の存在なくして生きていけるだろうか。今昔物語の「讃岐の源太夫」には、極悪人が仏を求めて回心し、安らかに死ぬ物語が書かれている。

苦しい時の神頼みはズルいことか 讃岐の源太夫から考える回心

いい死に方とは

どうせ死ぬならいい死に方をしたいと思うのは当然である。できるなら良い人生だったと思いながら死ねればどれほど幸せか。カントの最期の言葉は「Es ist gut」(エス・イスト・グート/It is good)「これでよし」だった。ヴィトゲンシュタインは「素晴らしい人生だったとみんなに伝えてくれ」。「北斗の拳」のラオウは「わが人生に一片の悔いなし」である。こんな言葉で生涯を締めくくりたいものだが、ほとんどの人はそうはいかないだろう。後悔と懺悔の人生がよみがえり、まだ死にたくないと言いつつ死んでいくものである。その時、人は孤独である。どんな親しい人でも自分のすべてを見ていたわけではない。そんな自分の人生をすべて見ていて、それを受け入れてくれる存在がいてくれたらどれほど救われるだろうか。

讃岐の源太夫

讃岐の源太夫は「今昔物語」の仏教説話のひとつである。昔、讃岐の国(香川県)に源太夫(げんたいふ)と呼ばれる極悪非道な男がいた。これまで何人もの首を切ったかしれず、人々から恐れられていた。ある日のお堂で講(法要などをする集まり)が行なわれていることを聞き興味を持った。男は説法をしていた僧侶に「つまらん話なら斬る」と刀を突きつけ話を聞く。僧侶は震えながらも、西の果てに極楽浄土があり阿弥陀仏という仏がいる。その仏は例え罪深い人間であっても、ひたすら南無阿弥陀仏と唱えれば浄土に迎えてくださり、そこではすべての願い事が叶い、ついには仏になることができるという。源太夫は言った。「その仏の名を呼び続ければ俺のようなものでも救われるというのか」僧は震えながらも「救われますとも」と答えた。源太夫はその場で髪を剃り僧から戒を与えられた。

「俺はこれからと阿弥陀仏の名を称えて西へ向かってどこまでもどこまでも歩いていくのだ」

源太夫は「阿弥陀仏よ。おおい。おおい」と声をあげて歩きはじめた。海も山も超えひたすら西へ。とある寺に行き着き僧に事の次第を話し食べ物をもらった。数日後僧が様子を見に行くと、木の上に登っていた源太夫が「阿弥陀仏の声が聴こえたので呼んでいる」という。そして僧の前で「阿弥陀仏よおおい、おおい」と言うと海の中から妙なる声が聞こえてきた。

「ここにおるぞよ」

二人は伏して泣いた。僧は彼の言う七日後に再び向かうと源太夫は木の股の上で西を向いたまま息絶えていた。口からは鮮やかな蓮華が一本生えていたという。

「今昔物語集、巻第十九、第十四話」

極悪人の「回心」

この話は念仏の功徳を説いた説話である。念仏を称えればどんな極悪人でも無知な人、貧しい人でも平等に極楽浄土へ連れていってくれるという。物語は源太夫も極楽往生したのだろうと結んである。親鸞が説いた有名な「悪人正機説」を思い出させる話でもある。

2021年にツイッター(現X)にこの物語を漫画化された作品が掲載され、筆者は知らなかったが当時はかなり話題を呼んだようである。作品は原作「今昔物語」には描かれることのなかった源太夫の内面描写が細やかに描かれている。源太夫が極悪非道な男になったのには暗く陰惨な過去があった。だからといって罪を犯していいことにはならない。自分は悪人である。弁解しない代わり反省もしない。地獄行きは確定だ。しかし阿弥陀仏はこの男の呼びかけに答えた。源太夫は阿弥陀仏に「赦し」を求めたわけではない。ただひたすら阿弥陀仏の名を呼んでいただけだった。阿弥陀仏も「ここにいる」と答えただけである。「お前の罪を赦してやろう」とか「極楽へ連れてってやろう」などと言ったわけではない。ただ返事をしただけだ。しかし阿弥陀仏が返事をしてくれることなどそうそう無いだろう。源太夫の並々ならぬ努力が実を結んだ…わけではない。

源太夫はなぜこんなことをしたのか。浄土教は「自力」ではなく、阿弥陀仏にすべてを任せる「他力」を説く。いわゆる「回心」は自分の意思で起こるものではない。源太夫は何故か話を聞きたくなった。そして聞いた途端に何が起きた。「念仏申さんとおもひたつこころのおこるとき」(歎異抄)がやって来たのである。阿弥陀仏は「おお、やっと来たか。待っとったぞ」といった所ではないだろうか。どれほどの罪人でも阿弥陀仏はそばにいる。それに気づかないだけなのかもしれない。

安らかに死ぬための「回心」

死に際になって自分の人生に自信が持てず、必死に念仏(題目でもアーメンでも構わない)を称えるとする。それは「苦しい時の神頼み」に見えるかもしれない。しかし、実はそういう気持ちになったこと自体が、阿弥陀仏(他の神仏でも構わない)による回心のかもしれない。口から蓮華は生えなくても安らかな顔でこの世を去りたいものである。

参考資料

■「浄土の本」学研(1993)
今昔物語集 現代語訳
■瀬川環「人殺しの悪人が僧になって旅する話」

ライター

渡邉昇(2023/11/15)

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