埋葬許可書とは?
日本では、「墓地、埋葬等に関する法律」、通称「墓地埋葬法」という法律規定があり、たとえお墓があっても勝手に遺骨を埋葬することはできません。「許可証のない埋葬等の禁止」という法律です。そこで必要になるのが「埋葬許可書」です。
寺や住職が万が一にも埋葬許可書の原本なく納骨を許可した場合は、罰金または拘留、もしくは科料に処せられます。寺は必ず許可書を受領し、法定の台帳を作成、所定期間保管し、以後、これをもとに改葬の際等に埋葬証明書を発行することとなり、遺族にとっても、寺や住職にとっても無くてはならない大切な書類なのです。
また、「埋葬許可書」と「火葬許可書」は法律上では別の許可書ですが、一部の自治体では、「火葬許可書」に火葬済の公印が押された段階で、その同じ用紙が「埋葬許可書」に変わる、という一枚で二つの役割を果たす方式もとっています。近年ではこの方式が多いようです。では、まず以下のの大事な書類を発行してもらいましょう。
・医師から死亡診断書を受け取る
・死亡届に必要事項を記入し、認印を押印
・死亡届と死亡診断書を市区町村の役所、自治体に提出
・火葬(もしくは埋葬)許可書を受け取る
これらの発行までの流れは、葬儀を葬儀社に依頼されている場合はすべて葬儀社が代行するのが通例ですが、状況によってはご遺族が届け出をしなければいけなくなる場合もありますので、説明いたします。役所、自治体の窓口に行き、「死亡届」「死亡診断書」を提出すると、「火葬許可書」が交付されます。火葬場ではこの「火葬許可書」が必要となります。役所、自治体の許可を得て初めて故人を荼毘(だび)に付し、火葬が終わるとその旨を明記した「火葬許可書」が遺族の元に戻ってきます。これが昨今ではそのまま「埋葬許可書」となります。
この「埋葬許可書」を四十九日の法要が済むまで大事に保管しましょう。四十九日法要が終わると埋葬です、「埋葬許可書」をお寺の住職、もしくは霊園の場合は「事務所の責任者」に提出しましょう(「使用承諾書」と「印鑑」も忘れずに)。
ちなみに「埋葬許可書」は四十九日法要まで「骨壺と一緒に骨箱に入れておく」と、納骨の際、慌てず焦らず忘れず、良いかと思います。
※「埋葬許可書」を紛失してしまった場合は、慌てずに、発行をお願いした役所、自治体の窓口へ相談に行きましょう、「有料」ではありますが「再交付」の手続きができます。
ところで「粉骨」等をする際にはこの「埋葬許可書」のコピーが必要となります。ご予定のある方はコピーを取っておきましょう。また、すでに納骨されている場合の粉骨では寺や霊園側が発行する「納骨使用許可書」または「死亡診断書のコピー」が必要となります。さらには、長期年月が経っているご先祖様のご遺骨の場合、書類が見当たらないというケースもありますが、その際にはまず葬儀社に相談してみましょう。
手元供養の場合でも、「埋葬許可書」は大切に保管しておきましょう。
墓じまいと同じく増加していると言われる「手元供養」、自宅で遺骨を保管することには何の手続きも必要ありませんが、供養の途中で「やはりお墓に」「樹木葬に」などと埋葬が必要になることもありますので、「埋葬許可書」は必ず手元に。また、手元供養が長ければ長いほど紛失のリスクが高まりますので、必ず遺骨と一緒に保管し、万が一紛失した場合は役所、自治体に問い合わせをしましょう。
埋葬許可書の豆知識:ペットの場合
ペットの場合は、人間のように「火葬許可書」「埋葬許可書」は必要ありません。また、24時間は火葬を法律で禁止されている人間と違い、ペットは死後に即火葬を行なえます。さらには、獣医師以外の死亡判断でも「死亡」とされ火葬することが可能ですが、近年増えているペット葬儀社は「獣医師による死亡診断」を推奨しています。
「埋葬許可書」等は必要ありませんが、「死亡届」を30日以内に保健所、役所へ提出しなければなりません。これについては市町村区により届出方法が異なるため、各役所、自治体へお問合せください。
「火葬許可書」が無くても火葬はできますが、役所や自治体に依頼すると大概が多くのペットとの合同火葬になり、お骨を引き取ることができません。お骨を拾い供養してあげるには、ペット専用の火葬施設を利用してください。
また「埋葬許可書」が無くても埋葬はでき、庭に埋葬する、共同納骨堂に収める、慰霊塔に収める等さまざまな方法がありますが、近年、人間と同じようにペットもお花に囲まれて、自然に囲まれて、のフラワーペット墓地等の利用が増えているようです。
土葬の場合は、自宅の庭などの「自己所有土地」に1m以上の穴を掘る必要があります。公園などの公共の土地や他人の私有地、河川や山林に埋めた場合、不法行為責任、また、廃棄物の不法投棄により罰せられます。せっかく家族の一員として可愛がってきたペットですから、人間と同じ、心のこもった見送り方、また埋葬をしましょう。