相続税とは、死亡した人が死亡時に所有していた財産を、死亡した人の親族等が相続した場合、相続した人達に対して、相続した財産に課税される税金である。
では、相続税が課税される財産とは何だろう。一部相続税法からの引用も含めているが次項をご覧頂きたい。
相続税がかかる財産のまとめ
原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈により取得した場合に、その取得した財産に課税される。では、相続税が課税される財産とは何か。簡単ではあるが、纏めてみた。
(1)現金、預貯金、株式
(2)土地、土地の上に存する権利(借地権他)、家屋、倉庫、工場、店舗
(3)自動車、バイク、パソコン等の家電製品、宝石他貴金属、書画、骨董
(4)住宅ローンや自動車ローンの残債
主なものは以上だ。注意して欲しいのは、ローンのようなマイナス(借金)分も相続税の課税対象となることだ。但し、(1)から(3)までのプラスの財産から差し引かれる。
相続税がかからない財産のまとめ
次に、相続税の課税対象にならない財産について簡単に纏めてみた。
(1)墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚等の祭祀財産
(2)心身障碍者に対する年金を受給する権利
(3)相続により取得した生命保険金のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分(生命保険料控除のこと)
(4)相続により受給した退職手当金等のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分(退職手当金等控除のこと)
主なものは、以上である。
相続税がかからない財産でも、相続税が課されることがある!
相続税の課税対象にならないもので特に注意して欲しいのは、(1)の墓地や墓石等の祭祀財産だ。
通常使用されるもので高価でないものは、相続税は非課税とされるが、税務署が常軌を逸したと見做し、祭祀財産であっても相続税が課税される場合がある。筆者の経験だと、純金製の仏像で、特に高価(特注で1000万円以上)だったものは、否認されて相続税が課税されたこともあった。
更に、著名な画家に描かせた仏画や骨董品として価値の高いものは、当然相続税が課税される場合がある。仏壇や神棚でも高価な素材(檜や黒檀等)を使い、腕の良い職人が造ったものも同様だ。最終的には税務署の判断に委ねられるが、課税されるのは避けられないことが多い。他には相続税の申告期限までに手続きが終了し、かつ、その旨の明細を相続税申告書に添付すれば相続税が非課税となる制度もある。上手く利用すれば相続税の節税に繋がるだろう。
詳細は税理士に相談して欲しいが、何より重要なのは事前に財産の調査をしておくこと。更には税理士等の専門家に相談することだ。そうすれば、それ程恐れる必要は無く、安心して終活できるだろう。