「ワシが死んだときには、葬式はいらんぞ!骨は海にでも空にでも撒いてくれ」、そうおっしゃるお父さん、多いのでは。
簡単に言うけれど、遺骨って、どうやって撒くの?勝手に撒いていいの?
まずは散骨したい地域の条例が散骨禁止かどうかをチェック!
近年は、お墓にはこだわらず、死んだら自然に還りたい、と考える人が増えているようだ。それゆえに、散骨は徐々に人気を集めている。しかし、具体的にどうやって遺骨を撒けば良いのだろうか。
まず、法律について。
刑法でも墓地法においても、散骨は禁じられていない。法務省の見解では、節度を持って行えば、遺骨遺棄罪には当たらないとされている。業者に依頼する方法が一般的だが、もちろん個人で行っても構わない。特に届け出なども必要ない。ただし、自治体によっては条例で禁じているところもあるので、調べる必要がある。
条例上問題ないなら、次は4つの散骨マナーをチェック!
散骨のマナーには、主に以下のようなものがある。
(1)遺骨は、骨とは判らない程度に粉末状にする。
(2)許可なく他人の土地に撒かない。
(3)民家の近く、海水浴場や漁業区域など、迷惑になるところには撒かない。
(4)環境に配慮し、容器などと一緒に撒かない。
これらに十分留意すれば、だれでも自由に散骨ができる。つまり、自宅の庭でも構わないのだ。しかし、遺骨に対しては人それぞれ様々なイメージがあるから、中にはあまり好ましく思わない人もいるだろう。なるべく近隣とのトラブルを避けるためにも、あまり他言せず、ひっそりと行うのが望ましいと思う。
同様に、海や山などへ撒く際にも、親族揃って喪服を着て骨壺を抱えて、というのは、できれば控えた方が良いだろう。人気の多い場所を避け、あまり目立たぬように行うのが無難。
散骨業者に頼むのも一つの方法!
やっぱり案外簡単にはできそうにないな、と思ったら、専門業者に依頼しよう。
インターネットで検索すると、たくさんの業者がヒットする。陸散骨、海洋散骨、中にはヘリコプターやセスナから海へ撒く空中葬や、カプセルに入れてロケットで打ち上げる宇宙葬なんてものまである。
色々なプランを検討するだけでも、なんだか旅行の計画を立てているようでワクワクしてくる。しかし、お値段もいろいろ…。
粉骨だけ業者に頼んで、あとは自力でやるのもアリ!
出来る限り費用を抑えたい場合、粉骨だけは、業者のサービスを利用した方が良いだろうと思う。
個人で行うことももちろん問題はないし可能ではあるが、想像してみて欲しい、自宅でヨッコラショと骨壺を開け、ゴォ~リゴリと身内の骨を砕くのは、やっぱりちょっと辛い。
粉骨費用は、骨壺のサイズによって設定されていることが多い。三万円前後が相場だ。骨壺の廃棄を請け負ってくれるところもあるので、確認してみよう。また、できれば立ち合いが可能な業者が、より安心だ。
あとはくれぐれも「お父さん大丈夫、散骨のことなら任せて!万全に準備したから」と答えて、「なにぃ?ワシはまだまだピンピンしとるぞ!」などと怒らせないこと。どうぞ気を付けて、ステキな散骨プランを。