我が国日本の極刑は死刑ですが、執行後、死刑囚はどうなるのでしょうか。重い罪を犯した死刑囚も当然のことながら人間であり、葬儀をしてもらう権利はあります。ここで、死刑執行後の死刑囚は実際どうなるのを探ってみました。
遺族の殆どが遺体の引き取り希望しない
執行後、法務省から死刑が執行されたという報告が死刑囚遺族に届きます。これは死刑囚の遺品や遺体の引き渡しに関する確認をするためです。ですが、ほとんどの遺族は遺体の引き取りを希望しないようです。
わずかですが、引き取りを希望し、通常の葬儀を行うこともあります。
引き取られなかった場合は、拘置所で葬儀が執り行われます。そして火葬場で火葬されますが、遺灰や遺骨も引き取るひとがいない場合は無縁仏として納骨されます。墓地は拘置所のある行政地区にあります。
献体を希望する死刑囚
死刑確定後に献体を申し出る死刑囚は少なくありません。
これらの献体が医学史上に大きな功績を残すことは多くあります。
その代表的なものは、皆様もご存じでしょう杉田玄白等によって書かれた「解体新書」です。これは、杉田玄白等が1771年に女性死刑囚の遺体の解剖を見学し、「ターヘル・アナトミア」というオランダの解剖書を翻訳したものです。
死刑囚がドナーとなるケースは?
また、倫理上の問題や、死亡確認後24時間は遺体の搬出ができないこともあり、死刑囚がドナーになった例は日本ではまだありません。
ですが、健康で新鮮な遺体という点では臓器ドナーとしては非常に有効とも考えられます。まだ未来のある命を救うために、このことについてはこれから考えていく必要があるでしょう。
最後に・・・
葬儀とは故人と遺族の最後のお別れの場です。
遺体の引取を希望されることが少ない死刑囚の葬儀は、死後帰る場所さえも失うことにもなりかねません。犯罪抑止としての死刑ですが、この先死刑という制度が不要と言えるくらいの社会が実現し、すべての人が帰るべき場所に帰ることができたらと願ってやみません。