誕生後、お宮参り、七五三...人は誕生してから、その節目節目に多くの記念写真を撮ります。
そんな人生の1ページを刻んでくれるのが写真です。そんな写真ですが、ある写真撮影がシニア世代を中心に注目されているようです。それは遺影写真です。
写真屋さんのHPをのぞいてみると、実際に多くの写真屋で生前/遺影写真メニューが増えているようです。
遺影の今までとこれから
今までの遺影写真といえば、家族が昔の写真の中から良さそうなものを選んで、引き伸ばして取り急ぎ飾ることが多かったのではないでしょうか。
しかし、最近の遺影事情をみてみると、シニア世代を中心に、多く方があらかじめに遺影のための写真撮影をしているようなのです。
また多くの写真屋で、この生前遺影写真の撮影のために、「自分らしいスタイル」で、「お気に入りの道具などもご一緒に」ということを推奨しているようです。
生前遺影の流行となったキッカケ
こういった遺影写真の事前撮影の流行は、2011年に「あかるい遺影写真展」という写真展がきっかけのひとつだったようです。
東京、大阪、福岡で行われたこの写真展で、「これからの遺影は、元気なうちに自分らしい姿を残しておけば、自分だけではなく残された家族にとっても大切な思い出になるという」という新しい視点が注目され始めました。
さらに、2012年新語・流行語大賞でトップ10に「終活」がノミネートされました。これからも読み取れるように、“自分らしくどう生きてどう死んでいくか”という事がクローズアップされたことも追い風となって遺影撮影サービスが浸透していったようです。
いつか迎える最後を意識する生前遺影
私自身の祖父母の遺影は、何かの機会に撮ったスナップ写真を引き伸ばしたものでした。それはそれで、自然な笑顔で写っている大好きな写真です。
あらかじめ遺影の写真を撮るなんて縁起がよくないという考えもあるかもしれません。ですが、故人本人が自分でプロデュースした自分らしい姿、写真を残しておくことは、本人だけでなく残された方たちにとってもよい思い出になることでしょう。また、こういった写真を撮ると、いつか迎える最期の時と向かい合い、さらに自分らしく生きることのきっかけにもなるのではないでしょうか。