現在この記事を書いているのは12月の第3週、年も押し詰まってきた師走です。
毎年この時期になりますと、流行語大賞や10大ニュースなど、1年間をダイジェストする記事などが流れますが、亡くなった方を挙げて振り返るというのも、歳末独特のせわしない気分と相まって、しみじみと過ぎ行く年月を思わせるものです。
特に、俳優や歌手、作家、スポーツ選手など、多くの人に愛された著名人が亡くなると、その著名人を見つめて過ごした自分の若かりし日々も振り返り、お別れの衝撃というのが静かに走るものですね。
直葬、家族葬、一般葬、密葬などなど
家族葬、密葬、一般葬、直葬という日本語があります。
家族葬は、家族やごく親しい身内だけで行う葬儀で、外部に告知しないもの。
密葬は、文字通り密(ひそ)かに行う葬儀という意味で、内容的には家族葬とほぼ同様ですが、後に〝密やかではない″別の葬儀があるかもしれないというのがニュアンスとして含まれています。密葬からしばらく経ってから、本葬が執り行われることが多いです。密葬は遺体処理を伴う急なことですが、本葬は関係各位の日程を調整し、招待状を発送するなどの十分な準備が必要になってきます。
一般葬というのは、家族葬、密葬ではない葬儀で、外部の方にも告知OKとし、参列を受け付ける葬儀ということです。告別式の会場案内の立て看板が立っているのは、告知の一種なので、一般葬のものということですね。
直葬というのは、通夜や告別式などの宗教儀礼をおこなわない火葬のみの式で、葬儀費用が安価で済む上に、所要時間も少ないということで、近年、これを選択する遺族も多いそうです。遺体を火葬所に運搬して火葬、お別れ云々は火葬場での直前のみという流れです。
著名人が執り行う葬儀とは?
最近の訃報で、ある人気俳優さんが亡くなった第一報は「近親者のみの密葬をした」というニュースでした。
故人の知名度が高く、果たして弔問客がどれだけの数になるか想像すらつかないというご遺族も存在するわけですね。
このように、訃報に社会的な影響が大きい故人の場合ですと、密葬から本葬という流れがしぜんと生じてきます。仕事上でお付き合いのあった関係者や熱烈なファンなども、故人のことを語り、偲び、心のけじめを付ける場が必要です。
最近は本葬と言わず、故人が生前に在籍していた会社や関係団体が主催する「お別れ会」「偲ぶ会」となる場合が増えています。お別れ会となれば、宗教色もなく、服装も平服、会場はホテルの宴会場やイベントホールになることが多いですね。
別れを惜しむ方々にどうおもてなしをしますか?
葬儀というのは、故人の人生により様々なパターンがあるもので、生前では予測不可能という流れが生じる部分もあるでしょう。
盛大な葬儀も、小さな葬儀も、そこに故人のために駆けつけてくれる人がいる以上、せめてものおもてなしをと思うのが関係者の心情かもしれませんね。