「イースター・復活祭」をご存じだろうか。日本ではまだまだ馴染みが浅いが、キリスト教においては、クリスマスと同じくらいに重要なイベントである。もうすぐ時期が近付いているので、その日程やイースター・復活祭の内容について紹介したい。
イースター・復活祭とは?
イースター・復活祭とは、キリスト教における「復活祭」のことである。十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが、3日後に復活したことを祝う祭りである。
2021年のイースター・復活祭は4月4日
教会ではミサが行われたり、家庭では特別な料理がふるまわれたりする。東方教会と西方教会で定義が分かれることがあるが、一般的には「春分の後の、最初の満月の次に来る日曜日」とされている。毎年日付が異なっており、2021年は4月4日となっている。
イースターエッグとイースターバニーについて
イースター・復活祭で欠かせないものに、卵とウサギのモチーフがある。
卵は、豊穣や生命復活のシンボルとされている。また、イースター・復活祭前日までの40日間を「四句節」といい、肉や魚とともに卵を食べられることを禁じられる。イースター・エッグの伝統は、この節制が終わることを祝うことにも由来している。元来は、鶏卵を染めたり塗ったりして装飾を施していた。十字架で流されたキリストの血の色を表す、赤色で染められることが多いが、国や地域によって装飾の仕方は異なる。現在はチョコレートで作られたものや、中に菓子を詰めたプラスチックの卵を使用することが多くなっている。また、庭に隠されたイースター・エッグを探し、誰が一番多く集められるかを競ったり、殻を割らないように転がしたり、イースター・エッグをスプーンの上に乗せてゴールまで運んだりと、イースター・エッグを用いたゲームを楽しむ習慣もある。
西方教会では、イースター・バニーも、イースター・復活祭に欠かせないものとなっている。ウサギは多産であるため、卵と同様に、生命復活のシンボルになったとされている。イースター・バニーがイースター・エッグを運んできて、庭に隠すとされている。前述したイースター・エッグを探す、エッグ・ハントというゲームは、この伝承に由来している。
少しずつ日本にも浸透してきているイースター・復活祭
日本でもキリスト教会ではイースター・復活祭を祝っているが、まだクリスマスやハロウィンほどの知名度はない。しかし近年では、東京ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオジャパンなどのテーマパークがイースターイベントを開催したり、菓子メーカーがイースター限定商品を販売したりと、徐々に浸透しつつある。新型コロナウイルスの影響により、テーマパークでイースター・復活祭を楽しむことは、今年は厳しいかもしれないが、家庭で祝ってみるのも良いかもしれない。
参考資料
■「一冊でわかるキリスト教」船本弘毅・監修(成美堂出版)