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普通養子縁組を協議離縁した場合の公正証書遺言の効力はどうなるか

以前、公正証書遺言も絶対に安全とは言い切れないと書いた。今回も、別の側面から公正証書遺言の安全性について触れてみたいと考える。


両親子供兄弟がいないある夫婦が相続のために従兄弟を養子縁組にし公正証書遺言を作成した

知人の親戚が質屋とディスカウントショップを営んでいるのだが、親戚に発生した相続に関する問題について相談を受けた。曰く、親戚の夫婦は事業の他に不動産投資で財を成した。ところが夫婦に子供がなく、夫婦の両親も既に他界していないので、自分達の死後において財産管理や、先祖代々の墓守について不安が残っているとのこと。夫婦の顧問弁護士と相続について相談した結果、妻の従兄と普通養子縁組をすると同時に当該従兄が養子となり、墓守することを条件とした死因贈与契約書を作成。更に当該契約書に準拠した公正証書遺言を作成していた。


しばらくして従兄弟との普通養子縁組を協議離縁した

公正証書遺言作成後、従兄は夫婦と同居を開始し表向きには特に問題無く時間は過ぎていったそうだが、従兄がやや癖のある人物だったそうだ。酒豪であり酒癖が悪く、泥酔すると誰でも絡み酒が原因で喧嘩も多かった。同居後十年近く経過したある日のこと、酒に起因した喧嘩で従兄が傷害事件を起こし、地元の警察に身柄を拘束されたのだった。初犯ということと、相手も泥酔しており先に絡んできたことを認めたため、数日後に釈放された。釈放後数年経過してから夫婦はこの傷害事件を原因として、従兄と協議離縁をしたのだった。


普通養子縁組を協議離縁すると公正証書遺言の法的効力は無効となる

前置きが長くなったが、問題並びに相談内容は協議離縁した後、公正証書遺言の法的効力はどうなるのかということだった。筆者の考えとしては、民法第1023条1項「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」同2項「前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する」とあるが、協議離縁した結果養子ではなくなったこと、墓守をするという前提もなくなったため、一切の贈与は受けることはできない、つまり従兄には夫婦の財産は一切贈与する必要は無い旨を回答し、最終的には弁護士と相談して欲しい旨伝えたのだった。回答後暫く経過してから件の知人から連絡がきた。弁護士と相談した結果は筆者の回答と同じく、従兄に贈与する必要はないとのことだった。


最後に…

立場を変えてみると、折角財産を受贈できたはずの従兄にとって、公正証書遺言の安全性に準拠して贈与を受ける権利を主張すべきところだったはずだ。しかし、前述の民法の規定により当事者つまり従兄の法律行為によって公正証書遺言は全ての法的効力を失う結果となった。安全性が高いとはいえ、当事者同士の法律行為に抵触すれば当然無効となることも充分に有り得る。安全性はあくまでも法令に則った行為においてのみ保障されるべきものであって、抵触した行為をすれば無効となることについて充分に注意するべきなのではないだろうか。


ライター 与太郎

記事掲載日:2020/08/20

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