料理をしていて、隠し味として日本酒を使うことがあります。量は小さじ1~2杯とほんの少々ですが、炒め物や煮物にまろやかさが加わります。わたしはお酒を飲まないので、アルコール類はめったに買わないのですが、なぜか家にあります。通夜供養品としていただいた日本酒です。最近は350mlのペットボトルに入ったものが棚の中にあり、口の開閉も便利で、重宝しています。
ハンカチやタオル、お酒やお茶など様々です
お通夜に行くと、帰り際にたいてい紙袋を頂戴しますね。紙袋の中には500円程度の通夜供養品が入っていることが多いです。これは、本来は「通夜振る舞い」に参加できなかった方へ渡していた折詰などから始まった慣例だそうです。
通夜振る舞いとは、読経、焼香が済んだ後に、参加者に振る舞われる食事(とお酒)です。なので、今わたしたちがいただく通夜供養品も、口に入る〝消えもの〟が多いのだそうです。最近は食事のあるなしにかかわらず、お通夜に参列した方全員に、通夜供養品を渡すようになっていますよね。せっかく来てくださった方を手ぶらで帰すのは申し訳ないという喪主からの気持ちであり、日本の「しきたり」だと思います。
わたしの居住地は関東なので、お茶と日本酒、あるいは海苔と日本酒がセットになった供養品をいただくことがよくあります。持ち運びが軽くて便利なのと、どこの家庭でも使えるものとして選ばれてきた品だろうと思います。
通夜供養品と、告別式での会葬返礼品が別というパターンも多いですね。告別式での会葬返礼品は、最近タオル、ハンカチが多いように思えますが、わたしはタオル、ハンカチ類はなぜかなかなか使えません。箱入りのきれいなまま、箪笥の奥に仕舞ってとっておきます。故人の思い出を美しいままに保っておきたいと、つい思ってしまうのですよね。ですが、通夜供養品の日本酒やお茶は、食べ物なので早いほうがいいだろうと思い、せっせと消費しています。
葬儀社が用意してくれるので数の問題も安心
お通夜や告別式の参列者数は事前にはわかりません。
葬儀社を通じて通夜供養品や会葬返礼品を手配できるのは、何かと物入りの喪主にとって、とてもありがたいことだとわたしは思います。これらの品を自分でオーダーして準備した場合は、数の問題が生じてきます。万一足りなかったら参列者に差が出て失礼なことになりますし、余ってしまったら負担も出ますし悔しいものです。
葬儀社が取り扱っているものから選んでおけば、数の最終調整が事後に可能ですので、そういう意味では便利なシステムができているものだと感心します。
個人的には、奇をてらったり、個性をアピールするアイテムより、通夜供養品や会葬返礼品はスタンダードなものが一番だという考えです。そもそも葬儀自体が急なものですし、お品はしきたりだということは共通認識あってのことですよね。
ですが、会葬礼状の文章は、故人のお人柄が偲ばれる一文、定型そのままではないご遺族からのフレーズなどがあってもいいとわたしは思います。ここに若干のオリジナリティがあると、心に染みるのではないかと思う方です。