グリーフケアとは?
自分の周りにいる人が亡くなったとき、私たちはどのようにしてその悲しみから立ち直ることができるのでしょうか。人によってはその喪失感は計り知れないものがあります。
人は親しい人の死という悲しみに直面したとき、とてつもない喪失感におそわれながらも、それと同時に、それでも立ち直らなければいけないという焦燥感にもおそわれることになります。この自分ではコントロールのとれない二つの感情に揺れ動いている状態のことを「グリーフ」と言うのです。この「グリーフ(悲嘆)」に陥っている時期は、精神的にもまた身体上にもさまざまな影響を及ぼしてしまいます。
しかし残念ながらその悲しみや喪失感が、どれほどの痛みを伴い深いものであっても、それは結局本人にしかわからないのです。人はこの感情から抜け出すため、先の見えない苦しみをひとりで抱えていかなければいけないのです。
この悲しみにとらわれてしまっている人に、寄り添い理解しながら、さりげなく手を差し伸べることを「グリーフケア」と言います。
コミュニケーションが希薄になってきた現代とは言え、社会で生きている以上は、人との付き合いは否応なしに存在するものです。それは家族であったり、学校や会社や友人などにしがらみは生まれるものです。
確かに昔のような村社会であれば、死というもの自体が現在よりも身近であったため、人々は死別による喪失感からどうやって立ち直っていくことが出来るかをわかっていたのかも知れません。自分自身も、そして周りの人たちもどのようにサポートすることができるかというノウハウがあったわけです。
しかし今はどうすればいいのか分からずに、いつまでも深い悲しみから戻ってくることが出来ず、次第に心の闇に引き込まれ病気になってしまう人も多くいるのです。
これらの悲しみから抜け出すには、自分ひとりではなかなか難しいものです。時間が経てば徐々に回復できるかも知れませんが、周りの誰かが支えになってくれることは、これほど心強いものはありません。
ただグリーフケアはデリケートな行為であるため、サポートする側にとっても慎重であるべきです。その人にそっと寄り添い、焦らず時間をかけてゆっくりと理解をすること。いくらその人のことを分かっているつもりでも、本人でない以上、心の奥底まで理解することは出来ないのですから。
グリーフケアの豆知識:地域で支え合うグリーフケア
現代社会では、コミュニケーションが上手くとれずに、深い悲しみと喪失感からどうしても抜け切れずに苦しんでいる人は大勢います。
グリーフケアを行うには、専門的な知識を持つことも大切です。地域でこれらを専門に行っている団体などもあるようです。ひとりで悩まずに相談してみるのもいいかもしれません。