粉骨とは?
亡くなった人の遺骨を散骨などのために、砕いて粉末にすることです。
散骨するためには、遺骨は細かく砕いておかなければいけませんが、それは専門の業者へ依頼することで解決することができます。
火葬を終えた遺骨は専門の業者に送られます。委託された業者は、遺骨から不要な副葬品の灰や金属片などの不純物をすみずみまで取り除き、洗浄を行います。遺骨が真っ白になるように丁寧な工程を経る必要があるのです。その後、きめの細かい粒子に仕上がるよう、専用の粉砕機と最後に手仕事で遺灰をふるいにかけたり、すり鉢でもう一度する潰したりして、ようやく散骨用の真っ白でふわふわのパウダー状の粉骨が仕上がりにしてくれます。(業者によって粉骨の方法や工程、金額などはさまざまですので、あらかじめ調べておくことをおすすめします)
散骨というのは、粉骨した遺骨を墓や納骨堂などには納めずに、骨を撒いて弔うことをいいます。骨を撒く場所で、最も一般的でトラブルの少ないところは海上です。よく映画などでも登場するあのシーンですね。
本人の希望にもよりますが、墓をたてるほどの余裕のない人や、やむなく墓じまいをせざるを得ない人たちによって、利用することも多いようです。散骨をするときの注意点としては、やはり散骨する場所です。上記のように海上でならば、一目につくことも少ないですし、問題はあまり起こりにくい場所ではあります。しかし陸上となると、狭い日本のことですから、なかなか難しくなってきます。近隣住民とのトラブルに発展してしまうこともありますし、慎重に行わなければなりません。
また合葬をするために粉骨をすることもあります。複数の人の粉骨にした人の遺骨を集めともに埋葬するのです。寺院によっては、大勢の人の遺骨を集めてその遺骨を練り込んで仏像を拵えてくれるところもあります。
核家族が当たり前になってきている近年では、お墓のあり方についてもさまざまな問題が浮上してきています。年々、墓を守る子孫が減ってきて、子や孫の負担も大きいものとなっています。粉骨や永代供養や納骨堂などの管理が不要な形式がこれから台頭してくる時代になるのかも知れませんね。
粉骨の豆知識:河骨(こうほね)
河骨とは、6月ころから9月ころまでに、浅い池や川などに咲く水性のスイレン科の植物のことです。水中から伸びて5㎝ほどの黄色い花を咲かせます。その姿は静かでとても可憐ですが、名前はその姿に似合わないものがつけられています。
名前に由来は、根茎が太くて真っ白でまるで骨のように見えたから、とのことです。夏の頃にその涼しげな姿をよく見かけますが、とても弱い花で、切ってしまうとなかなか長持ちしにくく扱いにくい花としてなかなか市場に出回るのが難しい花です。しかしその儚げな様子がまた人気となって、生け花ではこの季節よく用いられることがあります。
少しでも長くもたせるために、専用のポンプを使い茎に水を流しこむ必要があります。沼で群生しているのをみるのもいいですが、床の間の美しい姿に生けられた河骨も心が癒されます。
それにしても骨でありながら長生きをさせられてしまうというのも皮肉な話しといえるのかもしれません。