分骨とは?
分骨とは、お骨を一箇所ではなく分散して埋葬することです。親の遺骨を兄弟姉妹で分けたり、墓地が遠方にあるため分骨し、近くの墓地に埋葬するなど、理由はいくつも考えられます。すでに埋葬されている遺骨を、別の場所に埋葬する場合も分骨といいます。
また、地方によっては火葬されたお骨をすべて埋葬しないパターンもありますから、この段階で分骨されているといえます。いずれにしても、遺骨に関わることですから、じっくり考慮してことを進めなければなりません。
火葬された遺骨を埋葬する場合、墓地、埋葬に関する法律5条により、市区町村長の許可が必要です。許可された場所以外に埋葬は禁止されています。ただ、墓への納骨は義務付けではありません。墓離れから、自宅に安置して供養する人も多くなっています。それに伴い、手元供養のための仏壇や、遺骨を肌身離さず持っていられるアイテムなど、さまざまな商品がラインアップされています。お墓が負担になるようなケースでは、分骨、手元供養を考えるのもいいでしょう。
分骨の豆知識:日本にも分骨されたお釈迦様の遺骨が!
分骨はよくないといった説がありますが、これは体を分離することへの抵抗かもしれません。しかし、ご遺骨に魂が宿っているわけではなく、分骨は珍しくないことです。お釈迦様のご遺骨を納めている「仏舎利」は、まさに分骨。
お釈迦様の遺骨は世界に分散されています。何万もの寺院に分骨されているわけですから、真偽については?かもしれませんが……。
釈迦如来のモデルとなっているのは、ご存じゴータマ・シッダールタ(ブッダ)です。数ある仏の中でも、唯一実在した人物をモデルとしています。王子の身分を捨て修行僧となり、悟りを開いたことは有名です。80歳で亡くなり、死後500年を経て神格化されているのですが、その遺骨はストゥーパ(仏塔)に納められました。そのストゥーパに参ることで、仏教徒は信仰を保持していました。
しかし時間の経過とともに記憶が薄れ、お釈迦様の姿がおぼろげになってきます。そこでお釈迦様の身代わりとなる仏像が誕生したのです。実在の人物を模した仏像だったものが、仏像と化したことで神格化が進んだことでしょう。仏像のポーズは八種あり、誕生〜入滅(聖人の死)までを表現しています。それまで仏教でも偶像否定の時代が続いていたため、レリーフが使われていました。
そんな偉大なるお釈迦様の遺骨、日本にも分骨されています。愛知県名古屋市の「覚王山 日泰寺(にったいじ)」で、タイから寄贈された新舎利(お釈迦様の遺骨)を安置しているのです。お寺の名前は、日本とタイから名付けられています。日本でただひとつ、どんな宗派にも属さない全仏教人のためのお寺です。
お釈迦様といえば手塚治虫さんの「ブッダ」や、中村光さんの「聖☆おにいさん」などマンガにもなっています。いずれも伝記的な内容ではなくフィクションですが、それぞれ異なる魅力があります。お釈迦様を身近に感じる入門ツールとして読んでみるのもありです。