仏具とは?
仏壇を飾り付けるための道具、または僧侶が修行などに必要な持ち物などのことを総称して仏具と呼びます。宗教や宗派によって多少の違いがありその種類も様々です。
仏壇を装飾するための仏具として基本的なものに「三具足」という、お線香をたてるための香炉、華瓶、燭台の三種類があります。仏壇にはご本尊と位牌に「三具足」を並べ、これに鈴を置くことで、仏壇の最低限の体裁が整います。
この「三具足」に、燭台と花瓶を一対ずつ追加すると「五具足」となります。「七具足」は「五具足」の体裁に仏飯器・茶湯器を追加したもの。それに仏飯器を一対にし、高杯を一対追加すると「十具足」となります。
その他の仏具を紹介します。
・舎利塔(しゃりとう。釈迦の遺骨を納めるために建てられた仏舎利を、納めるために建てられた塔のことを言います。日本などではこれを小さく模型化し、仏壇に装飾するためのものとしても作られています)
・厨子(ずし。仏像や舎利塔、位牌などを安置するための棚のことを言います)
・須弥壇(しゅみだん。仏教で、須弥山(しゅみせん)という宇宙の中心にあると考えられている想像上の山をなぞらえて作られた仏像を安置するための壇のことです。通常は四角ですが、八角や丸型のものもあります)
・幢幡(どうばん。飾りのついた竿柱に長い布を垂らした旗のことです。仏堂を飾るもの)
・打敷(うちしき。法要などの際に使用する仏壇の前卓などを飾るための敷物のことです)
・水引(暖簾のように吊るして仏壇を装飾する幕のことです。宗派や家の紋が刺繡されています。この世と仏の世の結界として張られます)
・華鬘(けまん。仏前の内陣や欄間に吊り下げて装飾するための仏具のことです。花をかたどって作られており、金属製や木製のものがあります)
・礼盤(らいばん。須弥壇の前に設置し、導師が座るための高座のことです。導師はそこに座り礼拝や読経を行います)
・経机(経本を読む際に使用するもの。仏具を並べる台としても使います)などがあります。
僧侶が修行などのために身につけるものとしての、仏具は袈裟、数珠、鉢などがあります。こういった仏具のほとんどは、もともと日常生活に使用されていた道具や、あるいは武器・武具などから生まれたものではないかと考えられています。
仏具の豆知識:知ってるようで知らない数珠の意味
数珠の起源ははっきりしませんが、キリスト教のロザリオが誕生したころと同じではないかという説があります。ただ作られたのは、念仏などを唱えるときに何回唱えたか数えるためだったのではないかというのが、現在では通説となっています。
その数珠の珠の数は基本的には煩悩の数である108となっていますが、その半分の54、その他に36、27、21、18などがあります。108珠の長いものは二輪数珠、略式のものは一輪数珠や片手数珠などとよばれています。
数珠は左手にかけますが、その理由としては、左手は不浄なので清めるためだと言われています。そのために数珠には白檀などの香木が使われ、それによって清浄化されるのです。また珠を繋ぐ糸は仏様の慈悲を表しており、人を現す珠を繋ぐ役割を担っていると考えられています。