通夜振舞いとは?
通夜振舞いとは、通夜の式が一通り終わった後に振舞われる会食の席を指します。地方や遺族の意向によっても異なりますが、基本的には遺族や親族、あるいは故人と親交の深かった間柄などで故人を偲びながらいただくものです。関東地方などでは会社・学校など個人が属していた団体や関係者を招いたり、一般の参列者にも振舞うことが多いため大皿料理や寿司などを用意することがあり、逆に関西地方では近親者のみのという場合が多いようです。また料理ではなく、お茶とお菓子だけという地域もありますし、持ち帰り用のお弁当やオードブルなどの折り詰めを用意する地域や葬儀社も見られます。
いずれにせよ招待があった場合にのみ参加するのがマナーです。通夜振舞いに招かれたら一口でも箸をつけなければいけません。用意された料理に箸をつける、故人を囲んで振舞う食べ物を飲み込むことが供養になるからです。通夜振舞いは確かに故人の思い出を語り、亡くなったことを偲ぶ席ですが、遺族の負担を考えて長居は禁物です。1時間ほどで折を見て退席するようにしましょう。またやむを得ない理由で招待を辞退するときは、招待への礼と理由を述べるようにします。遺族側からどうしても、とお願いされた場合は一口だけでも箸をつけ、タイミングを見計らって退席しましょう。気の利いた葬儀社などではタイミングを見て退席を促してくれる場合がありますので、初めから辞退する前に一言添えておくとスムーズに進む場合があります。
その他常識的なマナーとして、通夜振舞いの席で故人や遺族についての詮索、あまりにも故人に関係のない話、ビジネスの話は控えましょう。また酔って騒ぐなどもってのほかです。
通夜振舞いの豆知識:もしも北海道の通夜振舞いに招かれたら
受付で香典を渡すといきなり開封されて金額を数えられ、その場で領収証が出る。北海道で通夜に参列すると驚く慣習が色々とあります。家族葬や直葬が増えて地域差が小さくなってきた現代でも、田舎の方では独特です。そこでもし北海道で通夜振舞いに招かれたらどうでしょうか。
まず北海道は土地の広さゆえに参列者が集まるのに時間がかかります。田舎ならJRなど本数もないのでなおさらです。ですからまず通夜の前に「仮通夜」が設けられ、その時点で集まった人々で通夜を行うことがあります。本来の仮通夜は遺族だけで行うものですが、仮通夜にも参列者を招くことで通夜が二回になるため、それだけ多くの人に参列の機会が与えられるというわけです。そういった事情もあり、北海道では葬儀よりも通夜の方が参列者も多く、故人を送るメインイベントになりがちです。現在は地方にも家族葬を扱う葬儀社もできてきましたが、未だに町内会総出で通夜の手伝いに当たる地域は多いようです。
一概には言えませんが、北海道の、特に田舎における通夜と通夜振舞いの流れです。
通夜に参列すると町内会の人たちが受付をしています。料理の支度やお茶の準備をしているのも町内会の女性たちです。受付を済ませると、稀にですがお堂や斎場などで最初に食事やお菓子が振舞われることがあります。これは地域差というより遺族や町内会の意向であることが多いようです。こちらは通夜振舞いとは別物なので遠慮なく頂いてもかまいません。次に通夜が始まります。進行は宗派などの違いを除いて本州の一般的なものとさほど変わりません。少し変わっているといえば、喪主の代わりに町内会長が出てきて挨拶し、そのまま故人の来歴を語りだすことくらいでしょうか。また香典返しもなく記念品のような形で海苔や金券を渡されることがあります。
式が終わると通夜振舞いが始まりますが、北海道では遺族・親族のみでいただくことが殆どです。ですからそもそも一般の参列者が招かれる機会はあまりありません。その代わりといってはなんですが、折り詰めや缶ジュースなどを持たされることもあるようです。