お預かり安置とは？
故人が息を引き取るとまず遺族が考えなくてはいけないのが、ご遺体の安置です。特に病院などで亡くなった場合、その病室でいつまでもご遺体を置いておくわけにはいきませんので、葬儀をするまでの間、ご遺体をどこに運んで置いておくかを素早く手配しなければいけません。
以前は自宅で葬儀なども行われることがよくありましたので、ご遺体はすぐ自宅に運ばれ、そのまま遺族がご遺体と付き添い、その流れのままお通夜や葬儀が行われるのが一般的でした。最近は住宅の事情や生活環境の変化によって、葬儀自体、自宅で行われることも少なくなってきています。また安置されるご遺体にずっと付き添っていられないなどの事情のある人も多く、そんなとき、葬儀社等でご遺体を預かってくれるサービスを利用するという方法もあります。
お願いした葬儀社にそのサービスが取り扱われているかなどの確認は、初めにしておかなければなりませんし、またそれぞれに色んなサービスの方法がありますので、葬儀社選びの時点でよく検討する必要があります。
お預かり安置では、ご遺体を安置施設に運んだあと、そのまま預かってくれます。ご遺体をそのままの状態で保存することを優先させるため、霊安室、あるいはご遺体を保管するための冷蔵庫などに保管するというのが通常の方法です。
ただしお預かり安置で注意しなければいけないのが、ご遺体を引き取られてしまったあとに、対面したいと思っても出来なくなってしまうということを考慮しておかなければなりません。そして別途費用がかかってしまうということも、注意が必要です。
ただ都心で最近問題となっている火葬場の事情などにより、葬儀がすくに行えないなどの長期に渡りご遺体を保管しておかなければならないこともあり得るので、そんな時にはとてもありがたいサービスと言えます。
お預かり安置の豆知識：死後24時間は火葬してはいけない？
息を引き取ってから24時間以上経過しないと、火葬をすることはできません。これは法律で定められているためです。昔は死亡してからの診断技術が未熟であったため、誤診も多く、死んだと思っていたのに生き返ったなんていうことがたまにに起こることもあったようで、このような法律が生まれたとのことです。
現在はもちろんこのような誤診はほとんど起こり得ませんが、法律は改正されない以上、法律に則って24時間は火葬してはいけないということになっています。
そのためご遺体の安置は行う必要があるのです。しかしただ法律や形式だけの問題ばかりでなく、すぐに火葬を行わないのは、遺族が気持ちに整理をつけるために必要な時間であるとも考えられるのではないでしょうか。
