僧侶とは?
仏教では出家をして修行をしながら、仏の教えを守り、また世の中に広めたりする宗教者のことを僧侶、または僧と呼びます。また一般的には僧侶という呼び方は男性に対して指すことが多く、女性は尼、または尼僧などと呼んでいます。
つまり俗に言う、お坊さんや尼さんなどと呼ばれる人のことです。
僧侶という呼び方は、仏教のイメージが強いですが、キリスト教やイスラム教でも、神父や牧師などの外に、僧侶と呼ぶ場合もあります。
ただイスラム教においては、神に仕える職や立場の者として人間の間の区別というものを認めていないという考え方が根本的に存在していて、本来は、聖職者というものは適当ではないとされています。その宗教によっては、基本的なあり方に大きな違いがあるので注意が必要です。
僧(そう)というのは、サンスクリット語のサンガを音写して僧伽(そうぎゃ)と書いたものを略したものです。もともとは、出家をして仏教の戒律を守り修行を行う集団のことを僧と言いました。日本では、この僧伽に属する人々という意味である僧侶が変化し、個人のことも僧というようになりました。今では、僧侶と僧は同義として広く知れ渡りました。
葬儀に僧侶が呼ばれるようになったのは、浄土宗の教えの中で、死に際に教えを説いてくれるとその者は極楽浄土に行けるという証がもらえるという説が信じられ、習慣化していったことから始まったのではないかと言われており、日本独特の文化です。ですから仏教の存在するタイやミャンマーや韓国などで、葬儀に僧侶が呼ばれることはほとんどありません。
そもそも、仏教というのは生きている人に対して教えを説くものであって、お釈迦様が入滅したときでさえ、弟子たちはお葬式すら行いませんでした。お釈迦様のお葬式は入滅の地に住むマッラ族によって執り行われたそうです。
僧侶の豆知識:日本の僧侶が結婚できるようになったのはいつ?
お坊さんは結婚できないという話しを聞いたことがある方もいるでしょう。確かに仏教の原則に従うと、僧侶は妻を娶ってはいけないことにはなっています。でも現在日本では僧侶も一般人と同じように普通に結婚している姿が当たり前の光景として見受けられます。
実は以前はちゃんと戒律の中で妻を娶ってはいけないことになっていました。ではいったいいつから僧侶が堂々と結婚できるようになったのでしょうか。
歴史的には、明治五(1872)年四月の太政官布告によって「僧侶の肉食妻帯畜髪は勝手たるべきこと」とされて、僧侶の妻帯が事実上認められることになりました。
ただし、遡ること鎌倉時代の頃、戒律の力が衰えており、妻子のある僧侶はすでに結構いました。明治に認められるまでは、建前だけが残っているというような状況だったようです。