散骨とは?
「葬送」の方法であり、寺院、納骨堂、霊園等に納骨するのではなく、お通夜、葬儀、告別式後、お亡くなりになった、故人のご遺体の火葬後、遺骨を粉末にし、故人が生前希望していた場所(海、山、川等)に撒く(自然に還す)という葬送の形態です。一部を納骨し、残りの遺骨の一部を散骨したり手元に置いたりといった方法をとる遺族もいるようです。
散骨という、葬送の方法については、様々な問題や物議の対象となっているのも確かであり、遺族にとっての、メリット、デメリットというのもあります。
まず、問題となるのが法律上のことでしょう。実際に問われた問題として、刑法の190条、死体或いは遺骨の遺棄罪の該当問題です。しかし、この問題に関しては一応、節度ある散骨を行う限り、違法ではない。という決着を見ています。ただし、法の問題よりさらに重要な問題として、散骨を行う場合の、その場所と周辺、近隣に住まわれる方々への配慮が挙げられます。実際にトラブルになった例もあり、散骨された周辺の住民からしてみれば、粉末にした人骨が近くで撒かれたとなれば、軽視できない問題であることが事実であることは間違いない事でしょう。
まだまだ、一般的とはいえない散骨という埋葬の仕方。こらからは散骨する側の配慮と、国民の認知と理解の向上が必要となってくるのではないでしょうか。
散骨の豆知識:散骨のメリットとデメリット
メリット、それはまさに一般的な納骨と、その後の維持に比べて費用が抑えられるという面です。海洋での散骨では、陸からなるべく離れた沖合で行うことが好ましいため、船のチャーターが必要で、費用として数十万円かかるとはいえ、納骨して、その後にも及ぶ出費を考えた場合、費用については、かなりの削減といえるでしょう。
デメリットとしては、海にしても、山にしても、または空に撒くにしても、場所がかなり限定されてしまう、という点です。日本国内では、この散骨についてはまだまだ理解と認知の向上が必要な埋葬の方法であり、一般化している葬送ではない、ということです。
そして、納骨していないということは、お墓を持たない(一部納骨する場合もある)ということで、法要などの面で、そこに遺骨がないということへの、参列する側の、故人を供養する精神面の希薄さというのも懸念されるでしょう。
どちらにせよ、自然葬における、特にこの散骨、という葬送に関しては、遺族でなく、生前に希望した故人による意思が全てになります。これから、一人一人が自らの死と、その埋葬のあり方をさらに身近に考えていく必要がありそうです。残された遺族のためにも。