北枕とは?
寝るときの方角として、頭を北に向け、足元を南に向けることです。北の方角に枕を置くため、北枕といいます。
釈迦が涅槃(亡くなった)の際に、頭を北に置いて横になったと言われており、そのエピソードから亡くなった人を寝かせるときには、枕を北の方角に向けるようになったと言われています。これは亡くなった人の極楽浄土を願う作法として行われるため、遺体を安置するときにのみ許される行為として解釈されています。
もしスペース等の問題により、遺体を北枕に出来ない場合には、西枕にしても構わないようです。
日本では死を忌む風習がありますので、日常での北枕は縁起が悪いものとされています。
北枕の豆知識:北枕って本当は身体にいい?
縁起が悪いと忌み嫌われている北枕ですが、実は身体にいいという説もあるんです。頭を北にすると、地球の磁力線上に身体が沿うことになり、それによって血行が良くなると言われています。
また風水では、北枕で寝ることで健康の運気が上昇するとの考え方もあるようです。その根拠として頭寒足熱という説があります。
頭寒足熱(ずかんそくねつ)とは、頭を冷やして足元を温めることですが、これは東洋医学での考え方である「冷えは万病の元」からきているとのことです。
頭を冷やすという意味の頭寒とは、のぼせた頭を冷やすということです。熱が出たときに頭を冷やしたり、暑いお風呂に長く入っていたりすると頭がのぼせた状態になりますよね。そんな時、脳は身体も暑いに違いないと判断して、全身を冷やそうと働きはじめるのです。すると身体の代謝はすこぶる悪くなってきます。そして身体の抵抗力も下がり、病気になりやすい身体となるのです。
また頭が温まりすぎるとオーバーヒート状態となって、脳機能が低下してしまいます。夢中になって勉強や仕事をしていると、このように集中力がなくなってしまうときがありますが、こんなときには、頭を冷やすことをオススメします。
足熱というのは、足を温めることで、全身の血液の循環がよくなるというものです。基礎代謝もあがり、冷え性を防ぐ効果もあります。
足は第二の心臓とも言うくらいですから、非常に大切な部分でもあります。ただ重力によって足元に体液が溜まりやすく、血行が悪くなったりむくんだりしやすいところでもあるのです。