葬儀社によるサプライズ感のある葬式の演出が話題を呼んでいる。葬式にバルーンアートを飾ったり、祭りのように太鼓をたたいたりと、その派手な演出は多岐にわたる。共通しているのは、型破りといえるような派手な演出を行うということだ。
このサービスは遺族からの好評を得ているらしい。故人の好みなどを理解し、それに合った葬式をあげてくれるのは、結婚式のような華やかさがある。しんみりとした葬式よりも明るく朗らかに見送ってやれる葬式として、利用者が増えているようだ。
しかしながら遺族には好評な一方で、同業者たちからは反感を買っているようだ。これはやはり葬式というのはひそやかに行われるべきであるという考え方が根強いからだろう。
世界を見渡すと、様々な葬儀が行われているが…
真っ二つに意見が分かれているこの葬式、果たして是だろうか、否だろうか。故人の意見を言わせてもらえれば、このサプライズ葬式は是、である。その理由を以下に記す。
葬式とは、言わずもがな死者を送り出す儀式である。遺族は葬式に臨むときにはふさわしい態度でならなければいけないとされる。しかし、各国の葬式を見てみると、どうやらその限りではないようだ。
例えば中国では、非常に大きな規模で派手な葬式がなされる。楽器や爆竹で大きな音を出したり、現金を餅撒きのように撒いたりする。他にもインドネシアでは遺体を神輿のように担いで、声を張り上げて運ぶ。
これらの葬式に共通しているのは、亡くなった者を思う心だ。葬式には欠かせない要素であるこのことは、葬式の本質を考えるうえで非常に大切なものである。葬式は死者を送り出す儀式であると先ほど申したが、その儀式に臨む態度には実に様々なものがある。死者を偲んで涙を流す者もいれば、死者に対すしねぎらいの言葉をかける者もいる。参列者は様々な思いを抱いて葬式に臨んでいるのだ。
そのため、派手な葬式をしている者が死者のことを思いやっていないなどと一概に決めつけることはできない。むしろ、亡くなった者を思えばこその派手な葬式なのである。中国、インドネシアといった国で見られるような派手な葬式は、死者への敬意を払い、その人を思えばこそ実現するものだ。これらの派手な葬式と同じように、日本でも葬式でサプライズを行うような派手な葬式は肯定されるべきである。
貴方は賛成ですか?反対ですか?
否定する者も多いこの派手な葬式は、死者に合わせた葬式であれば許容されても良いのではないか。故人を惜しむ気持ちが何より大切で、なくてはならないものである。その気持ちさえあれば、自然と葬式は良いものになる。派手でも静かでも、死者を思う気持ちが大切であり、その形式が異なっても良いのである。