相続や贈与という問題は突然自分の元にやってきます。ですが、ほとんどの人にとって相続や贈与という言葉に馴染みがないのではないでしょうか。よく誤解される事例を交えながら相続にスポットを当てて書いていきたいと思います。
相続で引き継がれるものは財産だけじゃない!
簡単にいえば「亡くなった方の財産を相続権利のある親族に受け継がせること」を指します。
相続というイメージには、亡くなった親族の財産を受け取るという印象を持ちますが、実は借金や未納税金などいわゆる負債も一緒に相続することになります。
相続には、税金がかかるため負債とあわせるとマイナスになる場合があり、一気に破産にまで追い込まれる危険もあります。決していいことばかりではありません。
相続が始まる時期って?
二つパターンがあります。
ひとつが死亡したとき。
そしてこれは意外かもしれませんが失踪して生死が不明な場合です。ただし、7年以上行方不明か戦争出征という条件付きです。
もし親戚が多額の借金を抱えて蒸発してしまった場合、その借金があなたのもとにくる可能性は十分にありえます。
勘違いパターン1:うちは財産が少ないから争いごとにはならない
金額の大小はあまり関係ありません。
相続されるものが自宅の所有物件ただひとつであった場合、分割することが困難なため大揉めになる可能性が高いです。
このように分割の定義が難しい資産であるほどトラブルになりやすいです。少しでも生活費を楽にしたいと思うのが人間です。悲惨な結末を迎える前に遺産分配を決めておきましょう。
勘違いパターン2:相続税率は50%であり、それ以上はとられない
半分正解ですが、実は場合によっては相続された金額より多くとられることがあります。
それが時代によって価値が変わる不動産、有価証券などです。
当時の価値を踏まえて計算するのは難しいため稀にですが、相続される金額より多く相続税がかかる場合があります。
勘違いパターン3:先に贈与しておけば大丈夫だろう
口頭の約束だけで贈与をした場合、相続税とみなされてしまうケースがあります。
贈与者がなくなったときに相続か贈与かという判断ができる証拠がなくなってしまいますので、贈与する際にも契約書を作成しておきましょう。
勘違いパターン4:何回かに分けて遺産を渡せば税金はかからない
たしかに贈与税の基礎控除額の110万円を下回れば免除されます。
ですが、もともと契約上、定期的に贈与しているとみなされた場合、課税対象になってしまうということです。例えば80万円を毎年10年間にわたって贈与する場合、800万円の額に対して贈与税が発生してしまいます。これは相当な痛手です。もし分割で贈与する場合も、念のため契約書を書いておきましょう。