繰り出し位牌とは?
繰り出し位牌は、紙芝居のように、戒名の書かれた札板が8枚から15枚程度重ねて収められる箱が台座の上にのせられています。歴代の位牌を一度に収納できるため、スペースに悩まされることがありません。決まりはありませんが、一番前には先祖代々の霊位と書かれた黒い札板が来るように収納するのが一般的です。
屋根や扉のついた豪華なデザインのものや、シンプルなデザイン、または漆塗りのものや唐木のものなど、その種類は数多くあり、いろいろと選ぶことができます。
繰り出し位牌の豆知識:位牌の処分方法
故人が亡くなってすぐに準備しないといけない、仮の位牌である白木位牌は、四十九日の忌明けが済むと本位牌へと取り替えます。
位牌には亡くなった人の魂が入っていると考えられています。仮である白木位牌から本位牌に代わるとき、魂も本位牌に移されますので、白木位牌には何も残ってはいないはずですから処分するのは問題ありませんが、まさかゴミ箱に捨てるわけにはいきません。
菩提寺等のお寺さんや、葬儀屋さんや仏壇店に相談して、お焚き上げをしてもらうといいでしょう。お焚き上げというのは、魂の宿っている品物などを燃やすことで、その魂を供養するという意味が込められています。お正月に神社でお守りなどを一斉に燃やしたり、地域で行うとんど祭りなどがそれにあたります。大切にしていた品物には魂が宿るということが信じられていることによるものです。お焚き上げをすることで、宿っていた魂は成仏することができるのです。
本位牌の処分については、何もしなければ魂は入ったままの状態ですから、菩提寺等にお願いして、まず、魂抜き(お性根抜き、併願供養)をしてもらわないといけません。そのあとお焚き上げを行います。
本位牌については、本来あまり変えることはありませんが、新しい位牌を買い替えたときや、弔い上げなどのときなど、特別な事情によって変更します。
弔い上げというのは、三十三回忌や五十回忌など、最終の年忌のことをいいます。このあとは仏事は行われることはなく、年忌法要は終わります。生前どのような悪事を働いたものでも、弔い上げが済むと極楽浄土に行くことができると考えられています。遺族はこのために法要を続けていくのです。
しかし高齢化社会が問題となっている現代においては、三十三年に及ぶ法要を継続してゆくのはなかなか至難の業となってきています。そのため十七回忌の節目で弔い上げとする人も増えてきているのも実情です。