海洋散骨とは?
亡くなった人の遺体を火葬したあと、その骨を粉骨し、海に撒くことを、海洋散骨と言います。
通常日本では人が亡くなったら、その遺体は火葬することになります。火葬したあとには、灰と砕けた骨だけが残り、その骨は身体の一部分を集めて骨壺に収められます。そして四十九日の忌明けが済めば、その骨壺はお墓に収められることになります。
しかし最近は少子化や核家族化が加速し、その様子はとどまるところを知りません。都会では近所付き合いが減り、かつてのようなコニュニティーは期待できません。そんな中、葬儀の形も随分と変化してきました。家族葬と呼ばれるごく小さな家族という枠組みの中だけで全てを済ませてしまうような、安くて手軽な葬儀が最近はとても人気があるようです。また自分だけのオリジナルな葬儀を目指す人も増えており、その形はさまざまです。
葬儀の変化に伴って、お墓というものの考え方についても、ずいぶん変わってきました。お墓という物理的なものにこだわることがなくなり、古いしきたりから脱却化してきたと言えるのかも知れません。人々の意識もまた価値観も、現代社会に合わせてずいぶんと変わってきました。あとを継ぐものがおらず無縁仏となるお墓が増加し不安が広がる中、お墓を立てる必要のない永代供養や納骨堂、合祀墓を選ぶ人も増えてきています。
そんな中、散骨という納骨の方法も、ひそかに人気があります。散骨は、遺体を火葬して焼け残った骨を、山や海に撒いて供養を行うものです。
骨はそのままだとまだ粗く、映画のようにドラマチックに撒くには、少し問題があります。環境や近隣住民などへの配慮を考える必要もあるでしょう。そこで散骨用に、遺骨の加工を行ってくれる業者があります。サラサラとした粉状にしてくれますので、これらの問題の解決にもつながります。
ただ、なにぶん撒こうとしているものが遺骨であるということで、気を使わなければならないことがたくさんあるということです。
海洋散骨の豆知識:宇宙に散骨
散骨は粉々になった遺骨を撒くものですから、場所が許すのならば、どこにでも撒くことができ、とても手軽な供養の方法であると言えます。諸事情により散骨を選ぶ方が増えてきている中、その中でも特に変わったものとして、宇宙に散骨をするというものがあります。
バルーンの中に遺骨を詰めて大空に飛ばすというものです。放たれたバルーンはぐんぐんと高度をあげて、約90分後に大空で弾けます。弾けたバルーンの中から遺骨は自然と大空に撒かれるという仕組みになっています。なかなかロマンティックな散骨の方法ですね。