お坊さん・住職とは?
僧侶や坊主のこと。「お坊さん」の語源と考えられる坊主というのは、もともとは「房主」と書きました。この頃は、お寺の住職など僧房の主に対し、修行を経て経験が豊富な僧侶を敬う呼び名として使われていたものでした。そしてこれは、特定の房(坊)、いわゆるお寺などを持たない僧侶たちが法師と呼ばれるのに対して、区別されていました。
時代の流れに従って、次第に坊主も法師も意味合いはごちゃまぜに混同されるようになり、住職などの身分以外の一般の僧侶たちも坊主と呼ばれるようになりました。そして一般の僧侶たちが呼ばれていた法師という呼び名は次第に消えていきました。昔の物語には法師という修行僧の姿はよく登場してくるので、その言葉自体はまだ残ってはいますが、現在、法師と呼ばれる僧侶に出会うことはほとんどありませんね。
「坊さん」や「お坊さん」というのは、この坊主を周囲の人々が親しみを込めて愛称で呼んだことから始まったものだと考えられます。
坊主というのはその他にも、色んなところで使われています。そしてその根源にあるのが、僧侶の一番の外見的な特徴と言える剃髪姿です。その姿はとても高尚でありながらもどこかユーモラスなイメージが人々の心を捉えたのでしょう。次第に髪を剃って毛の無い頭をしている者に対しても、坊主と呼ばれるようになりました。また武家時代、武家屋敷に仕えていた茶の湯などの雑務を行っていた者は茶坊主と呼ばれるなど、その役割によって「~坊主」と使われるようになり、一般的に親しまれるようになっていきました。
また小さな男の子に対しても坊主ということはありますが、これも髪を切って短くしたかわいらしい姿に愛情を込めて呼ぶようになったと考えられます。
昔から厳しい修行をし、人々の生活に寄り添い、悲しみなどから救ってきたお坊さんは、いつの時代も敬われ親しまれてきた存在であったという証拠に他ならないということでしょう。
お坊さんの豆知識:お坊さんになる
失敗をしたり、辛いことなどがあるとよく「頭をまるめる」「仏門に入る」などと言う人がいますが、では実際にはお坊さんになるためにはどうすればいいのでしょうか。
実はお坊さんになるのに、特別な資格は必要ありません。ただ仏教の世界に入るには「得度」と呼ばれる儀式があり、まずその得度を受けなければ仏門に入ることはできません。そしてそれには、その前に仏教というものを深く理解し知識を得る必要があります。それらを教えてくれる学校へ進学するか、また直接お寺で修行する方法があります。