遺言とは?
遺言は、故人が存命の時に、自分の死後の事を言葉や文章で残した物の事をいいます。遺言に法律的な効力を持たせたい場合は、民法によって定められた方式に従って残さなければいけません。故人が残す遺言には、様々なものがありますが、基本的には、民法的効力を持たせたものと、故人の思いを表したものの二つに分かれます。
一つは、故人が遺産の相続人を決めるために、公正証書や法律に定められた方式で記した遺言書です。こちらは、遺産相続などで遺族が揉めないように、法律が効力を発揮するよう故人が民法に則って遺言書に記します。効力が発揮する事により、故人の遺産は、故人の意思によって相続人が決定し、分配されます。仮に、故人が決めた相続人以外の人物が相続しようとしても、正式な方法で書かれた遺言がある場合は、その人物は相続をできません。
二つ目は、故人が、残された家族や友人等に、自分の思いや未練等を残したものがあります。
こちらは、単純に遺族に対しての想いが述べられたものなので、遺品という扱いにもなります。
遺言の豆知識:遺言に民法的効力を持たせるには?
遺言に、民法的な効力を持たせるためには、公証人に介入してもらう方法と、自筆で書く方法があります。この二つの内で最も確実なのが、公正証書遺言というものです。
まず、公正証書遺言を作成したいものは、実印か印鑑証明書を持って公証役場へ向かいます。公証役場へ自力で行く事が出来ない場合は、自宅や病院に出張をしてもらうこともできます。
作成の際には、遺言者の考えが正しいものかどうか確認をする為に、2人の証人です。遺言者が証言をすると、それを公証人が筆記をして書き記します。そして、内容が正確であるかの確認を、遺言者と証人2人に取ります。
内容に誤りがないと判断が出来た場合、署名の押印をして、公証人もそれを確認し、正式な書類である旨を記載し、署名の押印をします。原本は公証人によって保管され、正本は遺言者に渡されます。
万が一、死後に改変や紛失をされても、再交付ができますので、相続が適正に処理されない危険性がなくなります。相続などで遺言を残す場合、公正証書遺言は、一番確実で安全な方法です。
もう一つは、自筆証書遺言というものがあります。こちらは、民法968条に従って自分自身で遺言を作成する手段です。
決まりを、一つでも守っていなかった場合には、遺言が無効になってしまうので注意が必要です。また、遺言書を見つけた遺族は、家庭裁判所に行って検認手続きをしてもらう必要があります。
遺言に、法的効力を持たせる二つの方法を紹介しましたが、確実なのは、公証証言遺言です。ただし、ある程度の金額がかかることと、証人が必要になるなどのデメリットもあります。自筆の場合は、気軽に作成できますが、少しでも書き方を誤ると無効になってしまうというデメリットがあります。どちらの書き方にするかはその人次第ですが、正式に効力を発揮させたいのであれば、確実な方法をとった方が安全でしょう。