遺族基礎年金とは?
葬儀を終えた後に確認しておきたいことの一つとして、故人の年金のことがあります。
特に遺族年金が受給できるかは残された家族にとって重要なことですので、受給もれがないようにしっかり確認しておきたいことです。
「遺族基礎年金」は遺族年金のうち、故人が国民年金だけに加入していた場合に受け取れる遺族年金です。これに対して、「遺族厚生年金」は故人が厚生年金にも加入していた場合に受け取れる遺族年金です。
いずれの年金も、受給するために満たす必要のある要件があります。そして、遺族基礎年金はかつては「母子年金」と呼ばれ、一家の大黒柱が亡くなってしまった母子を助けるためにつくられた制度であることから、遺族厚生年金と違った取り扱いがされています。
一番大きな特徴として、遺族基礎年金は故人によって養われていた子どもの存在が要件となることが挙げられます。つまり、遺族基礎年金は故人の収入によって生計を立てていた子ども(原則として18歳未満)のいる配偶者か、子どもが受給できる年金です。
また、故人が満たす必要のある要件としては、国民年金の加入者、または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上あること、保険料納付済の期間(保険料の免除期間を含みます。)が加入期間の3分の2以上あること、もしくは亡くなった日が属する月の前々月までの1年間の間で保険料を滞納していないことが必要になります。
遺族年金の額ですが、平成29年4月分から適用されている基準によると、基本額が779,300円と、子どもの数に応じた加算額を足した金額が支給されます。
遺族基礎年金の豆知識:遺族基礎年金を受給できる「配偶者」の意味
遺族基礎年金は、妻(夫)と子どもが残されている場合には子どもの分も合わせて妻に支給され、妻(夫)も亡くなっている場合には子どもに支給されます。
なお、遺族基礎年金を受給できるのは、戸籍上の配偶者だけではありません。内縁関係であっても、事実上の婚姻関係があったことが証明できて、要件を満たすのであれば受給することはできるのです。
これは、遺族基礎年金は、遺族となった子どもを養育するための年金ですので、両親が戸籍上の夫婦であったかにかかわらず、子どもを助ける必要があるのであれば支給するという趣旨だと思われます。
逆に、子どもを助ける必要がなくなった場合には支給されなくなります。例えば、子どもが亡くなった場合や、妻(夫)が再婚した場合には遺族基礎年金を受給する権利がなくってしまいます。
一家の大黒柱が失われてしまうという不足の事態が起きたときのための遺族年金制度ですので、受給できる要件などは念のため確認しておきたいですね。