無宗教葬とは?
その名の通り、仏教やキリスト教または神式の葬儀など、宗教的なもの全般から切り離して行われる葬儀のことをいいます。葬儀の形式としては、「お別れ会」をイメージするのが一番分かりやすいかもしれません。つまり形式にとらわれない自由なスタイルの葬儀といえるのです。
最近では、これまでの伝統的な葬儀形式とは違い、費用や面倒なしきたりからも解放された、この新しい葬儀の無宗教葬を目指す人が多くなってきており、人気の葬儀形式として取り扱う葬儀社も増えてきています。
具体的には、仏教形式の葬儀で行われるような、読経や焼香などはなく、その代わりに家族や友人からのスピーチがあったり、焼香の代わりに献花を行ったりします。祭壇なども作らず、棺をカラフルな花で装飾することもあります。
また会場などもこだわらずに、レストランやホテルなどで行われることもあります。亡くなった人が好きだった音楽を中心に生演奏の演出の音楽葬や、会場をキャンドルの灯によって幻想的な雰囲気を醸し出したりなど、さまざまな工夫がされているようです。
ただ注意すべき点としては、この無宗教葬を行うにあたって、当事者たち全員の理解がとれているかどうかを、最終的に確認はしておかなければいけません。今までのしきたりを重んじる風習のある地域や、遺族の考え方によっては、執行する段階で揉めてしまうことも少なくはないからです。
亡くなった人も含め、全員が納得できる葬儀のやり方を選ぶことが、故人を送り出す形式として、もっとも相応しい葬儀の形となるのではないでしょうか。
無宗教葬の豆知識:無宗教の場合の遺骨について
無宗教葬が話題になっている理由としては、やはり日本全体が都会化してきていることが原因として言えるでしょう。つまりその根底には核家族という問題があります。古くて面倒なものから離れ、簡単で手軽で分かりやすいものを選んでしまいがちなのは、周りに相談する人が少なくなってきている証拠なのかも知れません。地域で長老などから常にアドバイスされていた頃とは違って、隣に住む人がどんな人なのかもわからない昨今、それは当然の成り行きとも言えるでしょう。
無宗教葬を選ぶとき、注意しなければいけないのは、遺骨の処理についてです。無宗教葬が今話題になってるとはいえ、実はそれほど世間に浸透しているわけではありませんので、遺骨を収納してくれる場所には気を付ける必要があります。宗教を問わない墓地がそれほど多くはありませんから、そのあたりについても前もって考えておかなければいけないでしょう。