埋葬とは?
埋葬とは、遺体、遺骨を墓地や納骨堂に納めることを示していうものです。現代日本における埋葬は、火葬を行い、遺骨をお墓や納骨堂に納めるという埋葬の方法が一般的となっています。埋葬にかかわる法律の中では、墓地以外の場所に遺骨を埋めて埋葬することはしてはいけないと定められています。
埋葬の豆知識:埋葬の歴史と海外の埋葬事情
日本において、昔は土葬を行うのがふつうでしたが、明治時代以降になって火葬施設が増え、火葬のほうが一般的となってゆきました。現代にいたってはほぼすべての遺体が火葬され、土葬をするのは1%程度であると言われています。日本以外の海外の国を見てみると、いまだに土葬のほうが多く、これは宗教的な価値観の違いが関係していると言われています。
日本における土葬は、土葬をする場所によって制限が違っているため、土葬をしてもいいかどうか自治体に確認しなければなりません。さらに、土葬をしても良いとされている地域であっても、墓地の管理を担っている者が許可をしなければ、土葬は行えません。火葬と比べて、土葬のほうが墓地の面積を広く使ってしまうため、国土の広くない日本では、今後も火葬という埋葬方法が大部分を占めると考えられています。
各国の埋葬法を宗教的な観点から見てみると、イスラム教の多いパキスタンやインドネシアといった国では、火葬は最大の侮辱としてみなされます。なぜならば、火はイスラム教において地獄を意味するものであるからです。アッラーを信仰していない人や、不義を働いた人は復活が許されることなく、地獄で永遠の責め苦を受けるとコーランの教えにあります。そのため、イスラム圏の埋葬方法は火葬ではなく土葬が一般的です。また、墓地に埋葬されることは神の最後の審判とされ、復活の時を待つ場所とされています。
一方でヒンドゥー教の多いインドでは、現世での形が残ることのないよう、火葬されることが理想であると考えられています。これは輪廻転生の考え方に基づき、来世のために死亡した後焼かれて天に上り、遺灰を川に流して自然に変えることで、新しい生を受けられると考えるためです。
イタリアやスペインといった南ヨーロッパに多いカトリックの考え方では、遺体を重視しているため、死亡した場合には土葬が一般的です。ただし、土葬には環境的な面で問題があるとされ、1963年からは火葬も認められています。プロテスタントの場合には葬儀は個人の自由であるとされています。
ユダヤ教の一般的なイスラエルでは、死亡した肉体は土に、魂は神に還るとしています。そのため、遺体は土葬で埋葬されるのが一般的です。