墓参りとは?
墓参(ぼさん)とも言います。墓参りとは亡くなった人やご先祖様の供養のために立てられたのがお墓です。そのお墓を参るということは、ご先祖様の冥福をお祈りすることを意味します。と、ともに、お墓参りをする人にとっても、心の拠りどころとなるのです。これは人の歴史の中で、宗教や国などの境なく続けられてきた、大切な儀式の習慣といえるでしょう。
日本人の多くは仏教の考え方に則って葬儀などが行われるため、お墓参りについても仏教式が多く見られます。仏教式での本来のお墓参りの作法とはどのようなことをすればいいのでしょうか。
基本的にはお墓参りはいつ行っても構いません。特に最近の生活事情を考えると、先祖のお墓の場所が遠かったり、日常生活が忙しくてなかなかお墓参りをする時間が持てないなどのさまざまな理由があります。仏教では命日、お盆、お彼岸などの特別な意味のある日が存在するのですが、本来はそればかりにこだわる必要はないのです。行けるときに行って供養をする、それが本来の姿です。
ただし、確かに仏教における大切な日に供養をするというのも特別な意味合いがありますので、なぜその日にお墓参りをしなければいけないのかということもここで少し振り返ってみましょう。
・命日:故人が亡くなった毎月のその日のことを命日といいます。丁度1年経過した同月同日のことは、祥月命日といいます。祥月命日に法要が営われることが多くありますので、比較的にお墓参りもこの日に行われやすくなります。
・お盆:時期はさまざまですが8月の13日から4日間というのが一般的で、亡くなった人が年に一度家に帰ってくる日であるとされています。亡くなった人の魂の送り迎えのために迎え火や送り火をたいたり、精霊流し・灯篭流しなどを行う地域などもあり、地域によって風習はさまざまですが、全国的にお盆による儀式が行われています。
この日に大型の休暇をとる企業が多くあり、田舎に戻った人々がお墓参りをすることが必然的に多くなります。
・お彼岸:お彼岸は春と秋で年二回あります。春のお彼岸は、春分の日をなか日として前後で7日間。秋のお彼岸は、秋分の日をなか日として前後で7日間です。あの世との境にある河の向こう岸のことを彼岸と呼ばれていて、仏教ではお彼岸の日に彼岸会という法要が行われます。この日に合わせて、お墓参りをする風習があります。
墓参りの豆知識:お墓に水をかける理由は?
お墓参りをするとみんな必ずお墓に水をかけますが、当たり前のように行っているその行為はいったいなんのためなんでしょうか?
亡くなった人が死後、喉の渇きで苦しむことがないように、という思いから始まった、末期の水を与える儀式と関連があるようです。またお釈迦様が生まれたときに天
から甘い雨が降ってきました。密教では、職を引き継ぐときに行う儀式で、頭から水を注ぐという「灌頂(かんじょう)」というものがあります。この儀式は古代インドの国王が即位のときに行われていたものが由来するとのことです。
このように人にとって水とは大切な要素であり、仏教と水との関係が深いものとなっていったものかもしれません。