百か日忌とは?
百か日忌とは、故人が亡くなってから100日後に行われる法要を指します。計算方法は「亡くなった日を含めて100日」が一般的で、故人の命日を含めて100日の間は忌中とみなすことが多いようです。
百か日忌は遺族が嘆き悲しむことをやめて日常に戻るといった意味から、「出苦忌」(しゅっくき)もしくは「卒哭忌」(そっこくき)とも言われています。この日に百か日法要を行い、故人に納骨などの様々な手続きが無事済んだという報告をする意味で、遺族で遺品を分け合う「形見分け」をすることが多いようです。また百か日法要は「施餓鬼会」(せがきえ)とも呼ばれます。これは無縁仏や地獄に堕ちた死者を供養するといった目的があり、寺院ではお盆の時期にも行うことがあります。
百か日法要のマナーについては、服装は平服などの特段の指定がない限り喪服で行くのが無難です。この百か日法要をもって故人が成仏したあとの「年忌法要」に移る大事な節目になりますので、なお喪服の方がいいでしょう。香典についても飲食を伴った法要であることから、1万円前後を包むことが多いようです。水引などは地方によっても異なりますが、黒白の水引で表書きは「御仏前」とするのが一般的です。
また施主としてお布施を渡す場合は、御膳料やお車代を含めて3万円前後、もしくは7日ごとの追善法要の際、寺院に渡したお布施の10倍の額が相場だと言われています。施餓鬼会として無縁仏の供養も同時に行った場合はさらにプラスする必要があるとも言われています。
百か日忌の豆知識:なぜ無縁仏も一緒に供養するの?
百か日忌は「施餓鬼会」とも呼ばれ、複数の無縁仏などを同時に供養する法要をも意味します。ではなぜ何の関係もない他人の供養を一緒に行うのでしょうか?これには理由があります。
仏教では悪行を働いたりした人は地獄に堕ちます。そのうちの一つが「餓鬼道」と呼ばれるものです。餓鬼道に堕ちると一切の飲食ができないか、排泄物などを食べ続けるなどの食に関する罰を受けるようですが、施餓鬼会はそういった死者たちに食事を供えてお経をあげることで、恵まれない人たちを供養する行事です。現代では、無縁仏なども含めた供養される機会のない死者ぜんたいを救う行事でもあります。
多くの寺院ではお盆など人の集まる機会に行いますが、百か日法要でこの施餓鬼会を同時に行うことで施主や遺族の功徳を積むことになります。また施餓鬼会を行うことで「この人の子孫は見ず知らずの他人まで救うのか」と間接的に故人の功徳を積む行為にもなると言われています。故人の功徳が成仏につながるため、私たちは施餓鬼会を行うのです。