搬送とは?
搬送とは「運んで送る」ことです。ここでは、病院で亡くなった際の遺体の搬送について詳しく説明していきます。
遺体の搬送についての基本的な前提として、病院など自宅以外の場所で亡くなったときには、遺体を自宅や葬儀場など 所定の安置所になるべく早く搬送させます。
病院で亡くなった際には、その人がそこで確かに亡くなったことを証明するため、医師に「死亡診断書」を書いてもらう必要があります。
遺体の搬送先は自宅、葬儀会社の所有する霊安室、葬儀場の霊安室、公営斎場に併設された霊安室の4つです。そしてこれらの搬送先に、主に葬儀社などの業者に依頼して遺体を運びます。ちなみに行先によって、搬送の流れは少しずつ違います。
・自宅へ搬送する場合
以前は病院で亡くなった方の遺体は、故人自身か遺族の住宅へ搬送するケースがほとんどでした。しかし現在はマンションやアパートに住む人が増え、「家そのものが狭く 遺体を安置する場所が確保できない」「高層階に住んでいたので運び込むのが大変である」「集合住宅では管理人の許可を取らなくてはいけない」などといった様々な理由から、自宅への搬送は減少しています。それでも個人が住み慣れた家ですから、最後のお別れをする場所としてはふさわしいと言えるでしょう。
自宅に遺体を搬送する際は、葬儀社に連絡をするときに 搬送先の正確な住所を伝えましょう。
・葬儀会社の所有する霊安室へ搬送する場合
特に遺体の搬送先が決まっていない場合は、搬送を依頼する葬儀会社が所有する ホールや会館などに附属している霊安室に 遺体が搬送されることになります。搬送の手続きは全て葬儀会社が代行します。
・火葬場の霊安室へ搬送する場合
公営のケースが多いですが、火葬場に併設された霊安室が遺体の搬送先となるケースです。搬送を依頼した葬儀会社の規模が小さいときには この流れにあることがあります。
ほとんどの火葬場には 斎場が併設されているため、遺体の安置後に葬儀を行うことができます。搬送先の指定が特にない場合は、葬儀会社が搬送先の決定・搬送手続きを代行します。
また、葬儀を行わない手法である直葬の場合も、火葬場の霊安室を搬送先に使います。この場合は火葬場だけの利用となり、斎場を使っての葬儀は行いません。
・公営斎場に併設された霊安室へ搬送する場合
遺体搬送を依頼した葬儀会社の規模があまり大きくない場合には、葬儀を行う会館・ホールを会社が所有していない場合があります。そのときには、遺体の搬送先や葬儀会場は 公営の斎場になります。公営斎場には霊安室が併設されていますので、遺体はそこへ搬送されることになります。場所の指定がなければ 搬送の手続きは葬儀会社が代行します。
搬送の豆知識:『死亡診断書』は絶対に必要!
今まで搬送は葬儀会社に依頼することを前提に説明を行いましたが、個人で遺体搬送をすることも不可能ではありません。
ここで注意すべきなのは、遺体搬送には必ず「医師による 死亡診断書」が必要であるということです。
死亡診断書は、病院で亡くなった際に 医師が本当に亡くなったことを記入し証明するものです。これがないと、個人での遺体搬送は 死体遺棄と判断されることもあります。個人で遺体搬送をするときは、基本的には 遺体と診断書はセットで動かしましょう。
それでもやはり、遺体の搬送は業者などの専門家に依頼した方が安心ではあります。搬送中の不慮の事故、あるいは遺体の扱いは、素人だけでは難しいものがあります。何かトラブルが起きて遺体が傷つくことがあれば、遺族としても後悔が残るでしょう。気持ちよく最後のお別れができるように、少しでも不安の種は取り除きたいですね。