葬儀社とは?
葬儀社とは、葬儀を執り行うことを請け負って、お葬式に必要な用具の調達などの業務を行う業者全般を指す名称です。
葬儀を執り行う業務に資格や免許は必要ないため、冠婚葬祭を専門とする業者のほか、ホテル、墓地・墓石、仏具を扱う業者、花屋などさまざまな分野で葬儀社を業としている会社が存在しています。
葬儀社は、年中無休で24時間営業しているところがほとんどです。誰かが亡くなったと連絡があれば時刻や天候に関わらず出動しなければなりません。葬儀社を運営するためには、本人や遺族、参列者など多くの人の要望に応えるため、適格に葬儀を計画し運営していくプロデュース力が必要となります。顧客は家族を失ったばかりの方々でもあり、ホスピタリティも求められ、様々な宗教・宗派に対応しなくてはならず、知識も求められます。
近年では、葬祭関連専門式場で葬儀を行う「会館葬」が多くなり、これを運営する企業が葬儀社として増えています。
「会館葬」では、通夜から葬儀までの準備の一切、斎場の提供、式の運営、飲食提供、香典返しの代行、霊園手配から墓石の販売・施工・メンテナンス、法事の請負までの全てを対応することが多く、従来面倒であった手続きや準備が1社でまとめられるため、利用者としてはとても便利です。
また、核家族化が進み住居が小規模化したことで、自宅での葬儀が行いにくく、個人のつながりも希薄になっていますので、近所や親戚よりも葬儀業者に依頼をして葬儀を執り行うケースが増加しています。このような事情から、「会館葬」の需要が高まっていると考えられます。
葬儀社の豆知識:お葬式の料金のトレンド
経済産業省の特定サービス産業動態統計によると、葬儀社を営んでいる企業の売上高の伸び率は、2008年まで上昇しており、リーマンショックが起きた2009年に減少に転じたものの、2010年以降は回復しています。一方で、年間死亡者数は概ね増加傾向にあったのですが、2011年以降は鈍化傾向となっています。
この統計によると、1件当たりのお葬式の料金は、2006年の152万円をピークに減少傾向をたどり、2012年には141万円となっています。2013年以降は微増で推移して、2015年には144万円となっていますが、今後大幅な費用増加は見込めないと考えられています。
お葬式の料金が低くなった背景には、死亡年齢の上昇によって老々葬儀が増加したことや、都市部を中心に親族などとの関係が希薄化し、少人数で行われる葬儀や家族葬、火葬だけを行う葬儀(直葬)が増えていることがあげられます。
調査によると、葬儀の種類の割合は2014年で一般葬42%、家族葬32%、直葬16%、一日葬9%、社葬1%となっています。
また、近年の葬儀の傾向では、小型化・簡素化が主流となりつつあります。このほか、故人の趣味嗜好を取り入れた演出や、従来の白木の祭壇よりも花祭壇(花を多く用いた祭壇)が用いられるなど、祭壇のコーディネートや式次第などに変化を求める消費者も現れ始めています。少人数葬では会葬者との関係性が強くなることで、料理や返礼品の質が重視されるようになった面もあり、今後は個別ニーズに対応した値段の二極化が進むと考えられています。