聖餐式とは?
キリスト教徒の信者が行う、神聖なる会食の儀式で、キリスト教の主である、イエス・キリストが聖地エルサレムで十字架に張り付けられ、処刑される前日、十二人の使徒たちと共に会食した「最後の晩餐」から由来する儀式です。
エウカリストまたはユーカリストを日本語に訳したもので、主にプロテスタント教会において「聖餐式」の用語が用いられおり、西方の教派においては「聖餐」という語が使われます。
「聖餐式」では、牧師が設定辞というものを唱えるのですが、これはイエス・キリストが「最後の晩餐」の際に使徒たちに唱えたもので、キリスト教の信者たちにこの晩餐会を「聖餐式」として設けるよう命じた、パンはイエスの体、ぶどう酒はイエスの血で、契約を意味するという教えから構成されているものです。
このことから「聖餐式」という会食の儀式は、イエス・キリストの死後、キリスト教信者が「最後の晩餐」を聖なる晩餐として位置づけ、これを再現するかたちで「聖餐式」といった儀式として今に伝え繰り返し欠かさず行ってきた聖なる儀式なのです。
カトリック教会では「聖餐」や「聖餐式」ではなく「聖体拝領」などの用語が用いられていて、ミサといったパンやぶどう酒を聖別して行う「聖体の秘跡」という典礼儀式が行われます。プロテスタント教会においては秘跡の語は使われません。
聖餐式の豆知識:ユダの裏切り
イエス・キリストの十二人の使徒のうちのひとり、イスカリオテのユダは、キリスト教徒ではない人でもその名に聞き覚えのある人が多いのではないでしょうか。
ユダの裏切りというものを描いた作品で最も有名なのが、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」でしょう。この絵に描かれているのは、この中から裏切り者が出るとイエス・キリストが会食を共にしている十二人の使徒たちに予言している場面だというのです。このレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」に隠された謎をモチーフとした「ダ・ヴィンチ・コード」などの映画作品も話題を呼びました。
現代においてもあらゆる創作の作品で、ユダという名が裏切り者の汚名を着せられた、裏切りの代名詞として扱われる作品は多くあります。その中のひとつ、漫画やアニメで一世風靡した、原作・武論尊、作画・原哲夫の作品「北斗の拳」では、南斗乱れる時、北斗現る、という名言があるのですが、これは南斗六聖拳のひとり、南斗紅鶴拳のユダという裏切りの星の宿命をもつ男の裏切りによって、南斗聖拳の乱れが描かれているのです。使われている名前までもユダとなっているように、裏切り者といえばユダというイメージが強く根付いているように感じられます。