樹木葬とは?
通常、お墓には墓石が墓標として用いられることが一般的なのですが、樹木葬では、樹木が墓標として使用されます。
TVドラマや映画、アニメーションなどの映像作品、マンガや小説といったエンターテインメントの世界では亡くなった登場人物のために遺体を埋めている、であろう盛り土に樹木の墓標を建てるという描写はたびたび見られますが、現実の世界では、法律によって許可を得ている墓地、霊園でのみ樹木葬での埋葬は、現在のところ行えないことになっています。
大きさにもよりますが、ペットが亡くなった場合、自然葬として土に遺体を埋め樹木の墓標を建てる光景は昔からよく見られ、少なからず経験がある人も多いのではないでしょうか。
また、墓標の素材として樹木を建てて用いるのではなく、埋葬した地に、生きている樹木や苗木を植えるスタイルの樹木葬もあります。植えられる樹木はあまり大きく育たない、低い樹木が好ましいようで、種類も周辺の地域に悪影響(外来種などの生態系への影響)を及ぼさない樹木を用いることが重要です。
樹木葬として埋葬する場所については、制限はあるのですが、樹木葬にした場合、従来の墓石のお墓よりコストをかなり抑えられるというメリットがあります。それに加え、墓石や墓回りの定期的な清掃などの維持による負担も軽減でき、これからのニーズも高まっていくことが予想されます。
樹木葬の豆知識:ペットと共に樹木葬
最近ではペット専用の墓地があることは、何度もメディアにも取り上げられ、話題にもなっていることからよく知られていることでしょう。それに伴い、人とペットが一緒に入れる樹木葬の墓地まであるのです。
仏教の信仰者が多数であった、日本人の考え方としては人と動物が一緒に埋葬され弔われるといったことは、これまでは考えられないことだったのです。現代の日本人の宗教にたいする考え方の柔軟化、或いは多信仰化、無信仰化など様々な背景による事情もあるのでしょうが、ペットも愛する家族の一員として、人と同等の供養を施される時代へと進化してきたのでしょう。
樹木葬で自然と一体化して弔われ、あの世でも生前同様ペットと共に生きる。なんとも微笑ましい光景が目に浮かびます。
ペットという、愛する家族がいるご家庭では、樹木葬で共に入ることができるお墓があると思えば、より家族としてのペットへの愛情も深まるのではないでしょうか。ご主人様と共にペットも永代に渡り供養されていく時代がやってきたのかもしれません。