社葬とは?
社葬というのは、会社にとって大きく貢献した人に対してその会社が主催をして葬儀を行うことを言います。個人の葬儀は主催者はもちろん遺族ということになりますが、社葬では会社が費用を出すというところに大きな違いがあります。
社葬とひとことで言っても、最近はいくつかの種類があります。ひとつは、以前より社葬として行われてきた伝統的なものとして、遺族との密葬のあとに寺院や葬儀会館などで、会社が主催して本葬として葬儀を執り行うもの。これはいわゆる通常の葬儀と同じようなものになるで、僧侶による読経が行われるなど宗教色の強いものが多いとされます。
また同じく遺族の密葬ののち、ホテルなどで会社が改めてお別れ会を行う場合もあります。これは社葬というよりはお別れ会と呼ばれることが多く、僧侶など宗教的要素の強いものは省かれる傾向にあります。
その他に、遺族と会社が合同に主催し、費用も折半する合同葬というものもあります。これは亡くなってから日を置かずにすぐに執り行われることが多いので、他の社葬のスタイルに比べると費用が掛かかにくいとされています。
また社葬は、故人が息を引き取ってから少し日にちを置いて行われることが多いですが、年をまたがずに行うというのが定説となっているため、年末に亡くなった場合などは合同葬の形を取られることが多いようです。
社葬の本来の目的とはなんでしょうか?それは社外に対して、事業を継承するための披露式であるというもの。そして社内に対しては、社の結束の確認と求心力強化のためであると考えられます。もちろん故人に対しての弔いや感謝の気持ちをあらわす場であることは当然ですが、社葬はそういう商売的な意識と意味合いが含まれていることが重要なのです。
社葬の豆知識:社葬にかかる費用について
社葬にかかる費用は、その規模にはよりますがだいたい数百万円から数千万円といったところが基本的だと言われています。さすがにかなりの出費となります。その備えとして、専用の保険などもあり、社葬を想定している会社であれば、そういったものの活用も検討しておくのもいいかも知れません。
また国税庁によると「法人が社葬を行って費用を負担した場合に、社葬を行うことが社会通念上相当と認められるときは、負担した金額のうち社葬のために通常要すると認められる部分の金額は、損金の額に算入することができる」とありますので、もし社葬の費用が損金として認めてもらうことができれば、税金の支払いは少なくて済みます。
ただ税務署も最近は厳しく認めてもらうのも容易ではないようですので、社内でリスクヘッジとしての備えをきちんとしておく必要はあるでしょう。