自筆証書遺言とは?
全て自分の手書きによって作成する遺言書のことを、自筆証書遺言と言います。
自筆証書遺言は必ず遺言を残すひと、本人の手によって書かれていることが条件となりますので、誰かが代わりに書いたりすると無効となります。手書きでないといけないのですから、いくら文章は自分で考えたものであっても、パソコンを自分で操作して書いたとしても、もちろん無効となるので注意しなければいけません。
これは偽造の防止を目的としているのです。ですから、一部でも自分が手書きしたもの以外のものが混ざっていると無効となってしまいます。
また下手くそな字であったとしても、誰が読んでも分かるように丁寧に書くことを心掛ける必要があります。そしてもちろん内容についても、分かりやすく明確になるように書かなければなりません。
遺言書が判別できないがために、残された人たちの間に揉め事が起きてしまっては大変です。読む人側の立場に立った文字と文章を書くことが大切ですね。
偽造を防止するということから、あとから修正できないようにするため、鉛筆や消えるボールペンのような筆記用具は避けて、消えないペンなどで書くようにしましょう。基本的には記入の形式については、特に規定はありません。ですから縦書きでも横書きでも問題はありません。
自筆証書遺言は作成した日付は必ず記入しなければいけません。日付の記入の仕方についても特に決まり事はありません。ただし、日付は客観的に見て判断できるものでないといけません。29年12月吉日といった書き方は日にちの特定ができませんので、無効となりますのでご注意ください。
日付が必要な理由は、遺言が何通も作成されている場合に、一番新しいものが何かを探るために必要であるというのと、記入者の作成時の年齢の確認をするためというためでもあります。(遺言書作成のできる年齢は満15歳以上)
遺言書には必ず署名と捺印が必要です。これがなくてももちろん無効となりますので、忘れないようにしましょう。印鑑はできれば実印を使用するのが好ましいでしょう。
また間違えたり変更・追加した場合には、その旨を記して訂正印を押しておかなければいけません。でもできれば修正をするよりも始めから書き直す方がトラブルを避ける意味でもいいでしょう。
最後に遺言書は封筒に入れてしっかり封をし封印を押しておきます。そして紛失しないようにしっかり保管するようにしましょう。
自筆証書遺言の豆知識:遺言書の検認
遺言書の検認というのは、遺言書の存在を明らかにすること、その内容について相続する人たちに知らせるための手続きのことを言います。それは遺言書を家庭裁判所に提出して検認を受けます。
封印がされた遺言書の場合は、家庭裁判所で相続人たちと立会いのもと開封を行います。そして検認をしてもらったあと、検認調書の作成をしてもらいます。
ただし、遺言書の中身の有効・無効はこの時点では関係ありません。検認後に争うこととなります。