三十三回忌とは?
三十三回忌とは、故人が亡くなってから満32年目に行う法要のことを指します。仏式では亡くなった年を1年目とする、いわゆる「数え年」で法要を行います。ですから数え方も三回忌を2年目に行ったように、32年目を三十三回忌とします。
仏教では、人は亡くなると「あの世」へ行き、閻魔大王の裁きを受けた後、それぞれの行き先で生前の罪を償い、仏の道を歩む修行をしていると言われています。そして三十三年目になると誰でも魂の修行を終えて極楽浄土に行けるそうです。そのため三十三回忌は「弔い上げ」と呼ばれ、この日をもって故人の霊ではなく仏様、先祖霊として祀られるようになります。ですから三十三回忌の法要も普段より規模が大きく、親族だけではなく友人や知人など、故人と親しかった人たちを招いて会食なども行うことが多いようです。
三十三回忌の法要は、悲しみの仏事というよりも故人の成仏を願い、思い出を語り合うような集まりになります。そのためお供えやお花も、故人の好物や多少明るい色の花で大丈夫です。服装は礼服が無難でしょう。一般的に七回忌以降の法要では参列者は地味な色の平服でもかまわないと言われています。とはいえ三十三回忌は「弔い上げ」といって、それ以降は故人だけの法要はしないことがほとんどです。これまで仏壇にあった故人のお位牌も片付け、先祖のものと合祀します。「これが最後の法事」と思えば、それなりの服装はしたほうがいいでしょう。また法要後に会食がある場合、香典も1~2万円程度と他の法要よりも相場が若干高めになっています。
三十三回忌の豆知識:33はマジックナンバー?
三十三回忌に限らず、京都の三十三間堂、四国三十三所や三十三観音など、仏教には「33」という数字が多く出てきます。これは仏教発祥のインドでは3が神聖な数字とされてきたことと、観音様が33通りの姿に変身し人々を救うという教えに基づくほか、もともと古代インドで3は「大きい・多い」といった意味合いをもつ数字だったようです。この3を重ねた33に無限や宇宙を見るようになり、仏教でも広く使われるようになったようです。
また、仏教に限らず33を特別視する宗教などは多く、キリストが生存していた年数が33年だったり、ダンテの「神曲」が各33章で書かれていたなどと言われています。
何故これほど世界中で33という数字が重要視されたかというと、ユダヤ教に基づいた「カバラ思想」が広まったのではないかという見方もあります。カバラ思想はもともと限られた者にだけ口頭で教えが伝えられていたとも言われているため、詳しい教義なども定かではない部分はありますが、古代ギリシャやローマ、中国などで使われていた数秘術という計算式を使った占いと結びついたり、後にキリスト教の聖書の解釈に応用されるようになって、広まったようです。
その数秘術でも33は特別な数字で「無条件の愛」を意味すると言われています。弔い上げと呼ばれる三十三回忌も亡くなった方が見ているかも知れません。