三十五日とは?
仏教の用語で、故人が、亡くなってから35日目に法要を行う事です。初七日から数えて五週目の節目として五七日ともいわれます。小練忌という呼ばれ方もあり、関西地方では死の前の日から数えて三十五日とする地域もあります。
現代の人にはあまり馴染みのない三十五日ではありますが、地域によってはこの日をもって忌明けとする場合もあるようで、古くからこの日は、仏教の考え方である輪廻転生でいう、閻魔大王の裁きが行われる重要な日とされてきました。
仏教における法要は、死後から七週目の四十九日まで一週ごとに節目があり、一般的に命日から7日目が「初七日」、14日が「二七日」、21日目が「三七日」、28日目が「四七日」、そして35日目が「五七日(三十五日)」、42日目が「六七日」、49日目が「七七日」、100日目が「百ヶ日」という流れとなります。死から七週間は故人の魂があの世と、この世をさまよっている状態で、七日ごとに閻魔大王が裁きを下し、ついに三十五日で判決が決まり、四十九日に来世へ転生する、とされています。遺族が行う葬儀や法要とは、故人の地獄行きか極楽浄土行きかという問題において、勿論、極楽行きを祈るための行事だといえるでしょう。
三十五日法要の豆知識:六道輪廻(りくどうりんね・ろくどうりんね)
輪廻転生という考え方が仏教には存在します。この世で行った業により、死後から三十五日目に閻魔大王から六道の世界いずれかに転生するかが決められるのです。
簡単に六道の世界とは、苦しみが続く「地獄界」。飢餓が続く「餓鬼界」。弱肉強食の「畜生界」。闘い続けなければならない「修羅界」。我々が生きる「人間界」。そして快楽と楽しみの「天上界」。の六つの世界が六道、所謂、地獄の世界となり、人は恒久的にこの六道を輪廻転生し続けるというのが仏教の教えである六道輪廻ということなのです。
俗にいう天国とは極楽浄土のことですが、どうすれば六道輪廻を逃れ、天国へ行けるかというと、人間界に降り立ったときに、生き物を殺さず、他人の物を盗まず、お酒を飲まず、嘘をつかない等々、神が定めたであろう悪行とされることを一切行わない人生を送り、死を迎えることです。そうすれば極楽浄土という永遠の幸福がある、天国の世界へ行けるのです。
そのためには、全ての煩悩から解き放たれ、悟りの境地へ達するための辛く厳しい、それこそ地獄のような修行が必要となることでしょう。