唐木位牌とは?
唐木というのは、その木の種類のことを言います。黒檀や紫檀、白檀、カリン、タガヤサンと呼ばれる高級な材木の総称です。これらの材木は、を利用して作られた位牌を唐木位牌といいます。主に熱帯地域が原産地とされています。
唐木の中でもカキノキ科である黒檀は、硬質であることが特徴で、木目は細やかで引き締まっており、磨けば磨くほど光沢が出てとても艶やかで美しい素材です。別名「木のダイヤモンド」と呼ばれています。その他の素材についても、黒檀と同じような特徴を持ち、古くから美術工芸品などの素材として、好まれて使われているものです。
それらを素材として作られた位牌を唐木位牌と呼びます。上品で趣のある唐木位牌はそれ自体が美術品のような気品に満ち溢れています。また丈夫で硬質な素材のため、虫なども付きにくく、乾燥性が高いため腐りにくいことで、長持ちする素材としても知られています。
位牌にはこの他に塗り位牌というものもあり、この塗り位牌は材木に漆を塗ってあり、光沢のある仕上がりになっています。
ただどちらの位牌を選ぶかということについては、特に決まりごとはありません。宗派によってもそれほど強固に決めているところは少ないようで、仏壇との相性や自分の好みで決めるといいでしょう。
位牌の産地では、昔ながらの丁寧な仕事をしていますが、その分高価なものとなります。そんな中、最近では海外で作られた位牌を輸入して仕入れた、安価な位牌が増えてきています。
位牌は故人が亡くなったとき、すぐには準備できませんので、仏壇仏具店に依頼して作ってもらっている間は、白木の仮の位牌を使用することになっています。そして四十九日の忌明けが済むと、新しい位牌へと交換します。それまでに位牌の手配をしておかなければいけません。死者の魂を供養するためには絶対に必要なものですが、これは忘れずに手配をしておかなけれいけません。何もしないでも勝手に誰かが作ってくれるわけではないので、忘れないようにしましょう。
唐木位牌の豆知識:位牌の構造について
位牌は戒名が記してある札板と台座によって作られており、そのまま立てて置けるような造りになっています。その構造はとても簡単に見えますが、台座はいくつかの部分によって組み合わされていて、そしてそれらにはそれぞれちゃんと名前があります。
上から、札板(戒名を記す板のことです)、受花(蓮の花の形をしており、札板を受けている部分のことです)、上花(花の形をしています)、那須座、帰り花、框の順に重ねられています。