神棚とは?
神棚とは、神道の神様を祀るため 家の中に設置する棚のことをいいます。自宅だけではなく店先や会社に設置されていることもしばしばです。神棚の意味や正しい設置方法などを紹介します。
神道では自然や日本神話の神様、身の回りの様々なものに見出した八百万の神様を敬いお祀りする多神教です。全国に数多く存在する神社の中でも特に有名なのが伊勢神宮です。
伊勢神宮の神札を家庭でもお祀りできるように、大神宮棚(だいじんぐうだな)と呼ばれるものが考案され、神道の慣習として庶民の間で定着していきました。これが現在の神棚にあたるものだとされています。
神棚は前述したように、もともと庶民が神道により親しめるように考案されたものです。現在でも家や会社の中で 拝礼しやすい位置に置くようにします。出来るだけ明るく正常なところ、天井付近に設置するとよいでしょう。方角は南向き、あるいは東向きがよいとされています。人が出入りするところやドアの真上などは避けましょう。
神棚を用いて神様をお祀りするときには、食膳に米と塩、水をお供えします。両脇には榊を供えます。お参りするときには、神社の参拝と同じように 二礼二拍手一礼をします。榊の水を替え、神灯をつけましょう。
また、神棚は仏壇と同じ部屋にあっても構いません。同じ部屋に上下に置くことは 一家の和を乱し争いのもととなるとされているので避けるようにしましょう。また、向かい合わせにして置くことも「対立祀り」といってよくないとされています。
神棚の豆知識:神棚封じ
家族に不幸があったときなどは、白い半紙を神棚の正面に貼って封印します。これを「神棚封じ」といいます。
これは神道の考え方に由来します。神棚を封印することで、人が亡くなったときに生じる「穢れ」が 神聖な場所に入らないようにするため神棚封じが行われます。本来 半紙を貼って神棚を封印するときには、亡くなった人の遺族ではなく 血縁関係のない第三者が行うようにされていました。これは遺族も死の穢れに触れていると考えられていたからです。
神棚封じをして 神棚の扉を閉めた後は、お供えや礼拝もしないようにします。通例の催事も行いません。この状態が続くのは忌明けまでです。忌明けになったら貼っていた半紙を取り、封印を解きます。
半紙の貼り付け方ですが、画鋲などは用いません。家庭の神棚であれば、しめ縄にテープなどで貼り付けるだけの簡単なものでいいでしょう。