香典返しとは?
香典返しとは、お通夜や告別式などの際にお香典をいただいた方々に対して、お返しをすることをいいます。お返しには、生前お世話になった方への感謝の気持ちとして、またはいただいたお香典に見合った品物を贈るようにします。
そもそも香典というのは、霊前にお香を供えていたものが、次第に金品へと変わっていったものです。村社会の発達していた頃の時代では、お互いの助け合いの精神のもとに、葬儀が取り行われていました。
地域の小さな村は貧しいことが多く、近隣住民たちは助け合ってしか生きていけませんでした。そのため、近隣住民との繋がりが深くなるのも必然であると言えるでしょう。そんな中、働き手を失った家族に対し、周りのみんなで助けることを目的として、米俵をお香典に供えることが風習となっていきました。葬儀の間に参列者に対しては、このお米を利用して振る舞うことでお返しの意とされており、その頃には香典返しというものはありませんでした。
いつしかそれらは形を変えて香典は金銭が主流となり、香典返しという習慣が生まれることになりました。結果、それらと共に村社会というコミュニティも廃れていくことになりました。
香典返しの時期は、四十九日の忌明けの法要が済んでから行うことが一般的だとされています。法要後の二週間以内を目途とします。これは忌明けが無事に済んだことを意味するものでもあり、参列者や亡くなった人が生前お世話になった方々に対する感謝とお礼を行うものです。
香典返しに相応しい品物は、できれば後に残らないようなものが良いとされています。これは「不祝儀は後に残さない」という考え方によるものです。ですから食品や消耗品などの消えものを贈るのが定番とされています。
例えば、お菓子やお茶、または石鹼やタオルなどがよく利用されています。また最近は好みもさまざまで、その種類はバラエティーに飛んできました。
香典返しの豆知識:香典返しののし
香典返しのときのマナーとして、のしのつけ方にも気を遣う必要があります。香典返しには、のし(かけ紙)をつけるのがマナーとされています。そしてそののしは、内のしにするのが一般的とされています。内のしは包装をする前につけるもので、外側からは見えません。お祝い事ではないので、あくまでも控えめにすることがマナーとされています。
地域によってのしの書き方はさまざまですが、一般的には水引で、下に苗字をいれます。